2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能性超微粒子の電気化学プロセシングによる基材への固定化と評価
Project/Area Number |
12650829
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
木枝 暢夫 湘南工科大学, 工学部, 助教授 (80169812)
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Keywords | 電気化学プロセス / 微粒子複合機 / 酸化物 / 表面保護膜 / 光触媒 |
Research Abstract |
本年度はまず,シリカゾルから電気化学的にシリカ膜を作成するプロセスと,その膜中にアルミナ微粒子を複合化する方法について検討した.エチルシリケートのエタノール溶液に水を加えて作成したシリカゾル浴にステンレス板を浸し,100V程度の電圧を印加することで陰極側の基板上にシリカゲル膜が生成することがわかった.浴中に分散性の良い数10nmサイズのアルミナ微粒子を分散させて電解を行うと,アルミナ微粒子とシリカゲルの複合膜が得られた.これらの膜を500-800℃で焼成した膜は,基板との密着性や耐摩耗性に優れ,基板の熱酸化を防止する保護膜としての役割も果たした. もう1つのテーマとして,様々な原料溶液を電解することで酸化チタン薄膜を基板上に直接製膜するプロセスについて検討した.原料としてペルオキソチタン酸水溶液および,それを部分的に熱加水分解させたアナターゼゾル混合溶液を用いた場合,陽極にゲル状の析出物が得られ,これを300-400℃で熱処理することでアナターゼ薄膜を作成することができた.得られた膜は比較的高い光触媒活性を示した.また,三塩化チタン水溶液を原料に用いた場合は,溶液のpHを2付近に調整したばあいにのみ,陽極に析出物が生じ,これを400℃で焼成することでアナターゼ薄膜が得られた.これまで報告されている酸化物の電気化学析出ではそのほとんどが陰極側への析出であり,今回の結果はその点で新規性を有し,他の成分との複合化などを考える際に有用となる可能性がある. 以上の成果は主に日本セラミックス協会主催の学会で発表し,現在論文投稿を準備中である.
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