2002 Fiscal Year Annual Research Report
機能性超微粒子の電気化学プロセシングによる基材への固定化と評価
Project/Area Number |
12650829
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
木枝 暢夫 湘南工科大学, 工学部, 助教授 (80169812)
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Keywords | 微粒子複合膜 / 電気化学プロセス / 組成制御 / アルミナ / シリカ / ジルコニア / 表面保護膜 |
Research Abstract |
本年度はまず,昨年度より続けているアルミナ微粒子分散シリカ薄膜の合成において,合成条件によって膜中のアルミナ含有量を制御する方法の確立と,それによる膜物性の変化を明らかにした.その結果,膜中のアルミナ量は,浴中へのアルミナ添加量および製膜時間にほぼ比例して変化するほか,製膜電圧20-100Vの範囲では電圧が高くなるほど多くなることがわかった.これらの条件を制御してアルミナ:シリカ重量比が1 : 1までの膜を作製することに成功したが,アルミナ含有量が10%を越えると,緻密で機械的強度の高い膜を得ることが困難になった.緻密で密着性のよい膜が得られた組成範囲では,アルミナ含有量の増加によって耐摩耗性や耐熱性の向上が認められた.さらにアルミナ含有量の多い緻密な膜を得るために,電解浴の組成や用いるシリカゾルの重合度,浴温度など,まだ十分に検討していない条件の影響を検討することと,合成条件を連続的に変化させることで適当な組成分布をもつ膜の形成を試みることが,今後の課題といえる. 一方,シリカ以外の酸化物をバインダ相として電気化学的に析出させるための原料として,種々の錯体化合物について検討した.その結果,ジルコニウム過酸化水素錯体を原料としてジルコニア前駆体薄膜の形成が可能であることを見いだした.この原料系についても,微粒子の固定化に利用できることを確認している. 以上の成果の一部については,主に日本セラミックス協会主催の学会で口頭発表した.また,特許化を検討していた成果が多かったため論文としての発表は遅れているが,特許申請の目処もついたため,順次論文投稿をおこなう予定である.
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