2000 Fiscal Year Annual Research Report
可視光照射固相反応法による生理活性物質の系統的合成系の構築
Project/Area Number |
12650846
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
千葉 一裕 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20227325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 克和 東京農工大学, 農学部, 助手 (10302910)
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Keywords | キノンメチド / ベンジルスルフィド / 光誘起電子移動 / 固相反応 / 合成ライブラリー |
Research Abstract |
本研究では、予め化学修飾を施した担体を反応溶液に添加し、外部から可視光を照射することによって、キノンメチドあるいはキノジメタンを発生させ、溶液内の基質との反応生成物を簡便に得るための、新たな合成ライブラリー構築法を確立することを目的とした。 このような目的を達成するためには、触媒や光増感剤と生成物の分離が容易であること、反応が穏和な条件で進行すること、幅広い関連物質と高い反応性を示すことが必要である。そこで、はじめに光増感剤であるAzure Aを樹脂担体表面に化学的に結合させ、固体光増感剤を得ることによって、簡便な操作による光誘起電子移動反応を実現しようと計画した。Azure Aは陽イオン交換樹脂表面に化学結合させることができ、これを有機溶媒中に分散し、さらに種々のべンジルスルフィドおよびアルケンを添加し、アルゴン気流下で、外部からハロゲンランプによって可視光を照射した。反応溶液は冷却水の循環によって冷却した。その結果、本反応系によって硫黄原子の光誘起電子移動によるべンジルカチオンが生成し、このカチオンに対してアルケンが反応した生成物が高い収率で得られた。この反応は酸素気流化では殆ど進行しないため、スルフィドの硫黄原子から励起状態のAzure Aへ直接電子移動が起こることによって誘起される、酸化的脱離反応過程によるものと考えられる。また、極めて穏和な条件下で望みのアルケンと分子間炭素-炭素結合が形成されるものであるため、様々な合成ライブラリー構築に有用なシステムであると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Chiba: "Benzylic Intermolecular Carbon-Carbon Bond Formation by selective Anodic Oxidation"Org.lett.. (印刷中). (2001)
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[Publications] S.Kim: "Benzylic Nitroalkylation by paired Electrolysis of Benzyl Sulfides in Nitroclkanes"J.Electroanal.chem. (印刷中). (2001)
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[Publications] K.Chiba: "A Perfluorinated Micellar Reaction System In Lithium Porchlorate/Acetonitrile"Electrochemistry Communications. 3(2). 63-66 (2001)
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[Publications] Z.Yang: "Synthesis of Varigusly Oxidized Abietane Diterpenes and Their Antibacterial Activities Against NRSA and VRE"Bioorg.Med.Chem. 9(2). 347-356 (2001)
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[Publications] M.Tada: "Synthesis of (+) and (-)-femginal via osymmetric cyclization of a pdyene"J.Chem.Soc,Perkin Trans 1. 2657-2664 (2000)
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[Publications] S.Kim: "Alkylindan Synthesis via an Intermolecular [3+2] cycloaddition Between Unactivated Alkenes and in situgenerated p-Quinomethanes "Tetrahedron Lett. 41. 7079-7083 (2000)