2000 Fiscal Year Annual Research Report
キラルなアルケンのジアステレオ選択的ヒドロホルミル化と精密有機合成
Project/Area Number |
12650859
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
山本 經二 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (80025999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川波 由紀夫 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (50289302)
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Keywords | ヒドロホルミル化 / ロジウム触媒 / イオン性液体 / シリルホルミル化 / 触媒リサイクル / 合成等価体 |
Research Abstract |
ロジウム錯体を触媒とする各種アルケンのヒドロホルミル化では,位置,および立体選択性が概して乏しい点を改善し,有機合成上の潜在的な有用性を開拓すること,およびアルケン基質の高度にジアステレオ選択的なヒドロホルミル化の実現を研究の目的とし,つぎの成果を得た. 1)キラルな1,1-二置換アルケンのジアステレオ選択的ヒドロホルミル化の高度化を念頭に基本的な基質である4-t-Butylmethylenecyclohexaneのヒドロホルミル化を詳細に検討した.Rh(CO)_2(acac)を触媒前駆体とした反応で,CO-H_2初圧が生成物trans-/cis-4-t-Butylcyclohexylacetaldehydeの選択性に著しい効果をおよぼし,高圧下では速度支配による生成物組成となり,一方,低圧下では熱力学支配により,trans/cis=92:8となることを明らかにした.リン配位子の添加はつねにcis体の生成を有利にすることも分った.2)分子内に単純アルケンと求核的なエノール型官能基を有するエナミノアルケン基質を設計し,これのヒドロホルミル化をCO-H_2初圧40気圧,室温で進行させ得ること,さらに分子内交叉アルドール型の環化反応を展開した.これによって,α,ω-alkanedialdehydeからの位置選択的交叉アルドール反応の合成等価体となることを示した.3)ヒドロホルミル化とヒドロシリル化の融合という観点から,Zwitter ion錯体[Rh(cod)][BPh_4]を触媒前駆体とする1-アルキンのシリルホルミル化を検討した.イミダゾリウム系イオン性液体(Ionic Liquids)[Bmim][PF_6](1)をユニークな媒体として用いると,1-アルキンのシリルホルミル化は完全な2相系触媒反応として進行させることができ,生成物(Z)-3-Silyl-2-alkylpropenalの分離はデカンテーションで済み,かつ,1に含まれる触媒系を安定に,極めて効率よくリサイクル使用できることを示した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Doi,: "A One-Pot Sequential Hydrogenation Utilizing Rh (I)-and Ru (II)-Catalysts."J.Org.Chem.,. 63(^#3),. 428-429 (1998)
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[Publications] T.Doi,: "Palladium (0)-Catalyzed Tandem Cyclization-Carbonylation of Alkenyl-Allenyl-AllylicAcetate."Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 71(^#12),. 2929-2935 (1998)
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[Publications] K.Yamamoto: ""Transition Metals for Fine Chemicals and Organic Synthesis""Wiley-VCH. 12 (1998)
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[Publications] 山本經二: "「触媒の事典」"朝倉書店. 4 (2000)