2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゆらぎ誘起力-効果を用いた反強誘電性液晶のダイナミクスの研究
Project/Area Number |
12650882
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
折原 宏 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (30177307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 真 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40262886)
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Keywords | 反強誘電性液晶 / 副次相 / ゆらぎ / 相転移 / 電気光学効果 / カー効果 / 非線型誘電率 |
Research Abstract |
反強誘電性液晶は高速応答・高コントラストディスプレイ用材料として期待され,多種多様な材料が合成されてきた.これに伴い,新しい相および新しい現象が相次いで発見されている.本研究の主な目的は未知な点の多いSmCa^*相転移におけるソフトモードの観測を行なうことである.ただし,このソフトモードは通常の誘電率測定,光散乱法では観測することができない.そこで本研究では,ゆらぎによって誘起されたカー効果の測定および非線型誘電率測定によってその観測を試みた. 平成12年度にSmA相においてソフトモードを観測することに初めて成功したが,平成13年度は実験結果をランジュバン方程式を基に詳細に解析した.その結果,ソフトモードの緩和周波数等の温度依存性を得ることができた.また,ポッケルス効果および線型誘電率からソフトモードに繋がるブランチのブリルアンゾーン中心におけるモード(分極を誘起するので強誘電的モードと呼ばれる)の緩和周波数等の温度依存性も求めた.これらの結果より,温度変化に対して緩和周波数がキュリー・ワイス的な振る舞いをするソフトモードが存在することが確かめられた.さらに,SmA相においてはソフトモードブランチが転移点に近付くと形を変えずに下がってくることが明らかになった.このことは,相転移は各層内で起こり,層間の相互作用は層の相互の分子配向方向を決めるという我々が提案した離散型モデルの正当性を示している.また,本研究の理論に基づいて反強誘電性液晶におけるゆらぎ誘起カー効果および非線型誘電率の解析法が確立された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Orihara, A.Fajar, V.Bourny: "Observation of soft mode condensation in the SmA-SmC_α^* phase transition by nonlinear dielectric spectroscopy"Phys.Rev.E Rapid Comunications. (in press). (2002)
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[Publications] A.Fajar, H.Nurai, H.Orihara: "Nonlinear dielectric spectroscopy in the smectic-A-Smectic-C_α^* phase transition A"Phys.Rev.E. (in press). (2002)