低速横移動する船体に働く流体力及び周囲の流場に関する研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650900
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 戸田 保幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20172166)
• Keywords: 低速横移動 / 港内操船 / タグ操船 / CFD / 過渡的横力 / 付加質量簡易推定式 / 浅水域

Research Abstract

港内での低速操船時の運動についてタグボートなどで横方向に移動する場合について、昨年度開発した船体周囲の流れをCFDにより解析するプログラムを用いて3次元平板について詳細な解析を行った。無次元の加速度が大きくまた定常状態が少ないため渦が生じる非定常な流れ場を解くためプログラムを改良を行った。曳航水槽の曳航電車を用いた実験との比較を行った。また小型の質量の軽い移動装置を作成し、予備実験を行い平板、ウイグレー船型、タンカー船型などについて実験を行い、過渡的な横力の特性を調査した。この装置によっても定常走行後減速し停止しても運動を行ってきた方向の力が働くことが実験で明らかなった。この現象を今年度行った乱流モデルを導入したCFD計算結果はうまく表しており、運動によって作った大規模な渦の運動及びそれによる船体への影響が明らかになった。今後計算プログラムの改良をさらに行い、実用的なプログラムに近づける。また浅水の場合や岸壁がある場合の計算を行い実験と比較する予定である。さらに非粘性法によって横移動中の付加質量などを求めるプログラムにより、浅水の場合の付加質量の簡易推定式を提案した。これは船型データ及び水深喫水比がわかれば推定できる式となっており、また実験結果ともよく一致しており実用的な簡易推定式となっている。次年度は3次元コードで検討を行い、浅水の場合も含めて数式船型について検討をさらに進める予定である。

Research Products

• [Publications] 定兼 廣行, 戸田 保幸, 李 充石: "浅水域における船体付加質量係数と船首揺付加慣性モーメント係数の簡易推定式"日本航海学会論文集. 105号. 11-20 (2001)
• [Publications] 戸田 保幸, 李 充石, 定兼 廣行: "低速横移動下の船体に働く流体力に関する研究-III.-3次元CFD法を用いた基礎的検討-"日本航海学会論文集. 106号(印刷中). (2002)