2001 Fiscal Year Annual Research Report
実船スケール・レイノルズ数に対応した船体周囲粘性流場計算法の開発
Project/Area Number |
12650903
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田原 裕介 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10264805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姫野 洋司 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50081394)
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Keywords | 実船スケール・レイノルズ数 / 計算流体力学 / 壁近傍乱流モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,これまでに研究代表者らが開発してきたRANS法を改良・拡張し,実船スケール・レイノルズ数における船体周囲粘性流場の計算法を開発することである.本研究の特徴は,計算格子生成法・計算アルゴリズムの拡張だけでなく,実船スケール・レイノルズ数に適した壁面境界条件や表面粗度影響の考慮,さらに粘性摩擦抵抗式の理論的検討・改良も行うことにある.本年度(平成13年度)は前年度までに完成した計算手法,すなわち有限解析法に基づくCFD手法に搭載されたk-εモデルと圧力勾配影響を考慮した壁関数法の有効性をより詳細に調査し,実用船型(シリーズ60船型およびSR196タンカー船型)へ実際に適用して実船スケール・レイノルズ数における計算を行った. その結果,本研究で開発した手法はモデルスケールから実船スケールまでの全域のレイノルズ数において,安定した計算が可能であることが分かった.また同時に平板境界層に関する壁関数法の計算結果と,壁近傍までをモデル化した計算法の結果とを比較した結果,おもに高レイノルズ数領域において壁関数法の有効性が向上し,特に計算効率を向上させる目的に関して壁関数法は極めて有効であることが確認できた.加えて,高レイノルズ数領域における表面粗度影響も検討した結果,従来の設計法で経験的に提唱されているものとほぼ同等の結果が得られ,これは本手法の有効性を爪すものと考えられる.一方,実船スケール・レイノルズ数における計算を詳細に吟味する目的で,従来の粘性摩擦抵抗式の理論的検討をさらにすすめ,より厳密な微分方程式を解く事によって,従来理論的には解明されていなかった重要な傾向を見出し,それは経験的ではあるが一般に指摘されてきた傾向と合致していることを確認した. 本年度は最終年度であるので,結果のまとめとドキュメンテーション(国際学会用の発表論文など)を行い,これにより2ヵ年にわたる本研究の所期の目的は十分に達成できたと考える.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tahara, Y., Himeno, Y.: "Simulation of Viscous Flow around a Ship Hull Form at Full Scale Reynolds Number"Proc. International Conference for Hydrodynamics. (2002)