2000 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域構造物に作用する津波波力および構造応答の数値解析システムの構築
Project/Area Number |
12650910
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
増田 光一 日本大学, 理工学部, 教授 (10120552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昭男 日本大学, 理工学部, 講師 (80318360)
近藤 典夫 日本大学, 理工学部, 講師 (90178418)
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Keywords | 津波 / 波力 / ナビエストークス方程式 / 数値解析 / ALE法 / 有限要素法 / 港湾構造物 / 水理模型実験 |
Research Abstract |
本研究は,以下の事項の明確化を目的に実施している. 1)沿岸域の海洋構造物(固定式および浮体式)に作用する津波波力の推定に関する数値解析に適した理論構築,及び,数値解析システムの構築. 2)係留された浮体式構造物の津波による動揺と係留力を推定するための数値解析システムの構築.これに対し,本年度は以下の研究を実施した. 1)津波伝播解析とナビエストークス方程式による津波波力解析の結合型離散解析手法の理論構築 2)ナビエ・ストークスの方程式を用いた津波波力解析システムの構築 3)2)の解析システム検証のための水理模型実験 これらの研究の結果は以下の通りである. 1)海域を構造物を取り巻く近傍海域とその外部海域に分割し,外部海域では津波伝播を解析する近似的な理論を適用し,近傍海域では津波波力などの現象を精度良く解析する厳密な理論(ナビエ・ストークスの方程式)を結合した.理論的な結合に際しては,両海域を連続的に高精度に接合する離散的な境界条件の設定方法および解析方法を開発した. 2)3次元的な津波伝播と構造物に作用する波力解析を行うために,ナビエ・ストークスの方程式にALE法を組み込んだ.数値解析には自由度が高い有限要素法を用い,津波伝播と波力解析が合理的に行えることを確認した. 3)構造物の近傍のみを想定した水理模型実験を行い,津波流況および構造物(主に港湾構造物を対象)に作用する津波波力を計測した.実験には本学の総合実験水槽を用いた.実験の結果を上記の数値解析結果と比較した結果により,数値解析方法の妥当性を検証した. 以上の成果を基にして,次年度では津波波力の統合型解析システムを構築する.
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