2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650917
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
糸井 龍一 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50108768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊昭 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90294892)
福田 道博 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038584)
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Keywords | トレーサ / 還元熱水 / タンクモデル / 混入率 |
Research Abstract |
低温の還元熱水や浅層熱水の生産ゾーンへの過剰な流入は熱水型地熱貯留層の流体温度を低下させ、蒸気生産量が減少する主な原因となる。本研究では、生産ゾーンへの低温流体の流入量あるいは混入量を時系列上で定量的に評価するために、天然のトレーサである熱水中の溶存化学成分と流体質量に関する集中定数系モデルを開発し、それに基づく解析手法の開発および実用化を目的としている。 本年度は、天然トレーサとして適切な化学種を文献調査を通じて抽出するとともに、既開発域における観測データの収集を行った。化学種としては、塩化物イオン、水の安定同位体比、希ガスなどが候補として挙げられるが、特に反応性が乏しく保存元素である塩化物イオンが分析コストの面からも最適な化学種であることが分かった。また、多くの地域において塩化物イオンをモニタリング項目に含めており、還元熱水の生産流体への影響把握するために利用されていることも明らかとなった。 次に、国内の2つの地熱地域における化学モニタリングデータを、本年度に開発した数学モデルを用いて解析した結果、還元熱水や浅層水の混入率が経時的に変化する挙動を明らかにすることができ、これらの成果については国内および海外の学会で発表を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Itoi et al.: "A Method for Estimating Reinjected Water Returns Using Natural Tracers"Proc.of the World Geothermal Congress 2000. 2635-2640 (2000)
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[Publications] Tanaka et al.: "An Analysis Method of Tracer Tests by Using Genetic Algorithms and Its Application"Proc.of the World Geothermal Congress 2000. 2953-2957 (2000)
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[Publications] Itoi et al.: "Estimating the fraction of reinjected water returned to the production fluid at Sumikawa, Japan"Proc.of the 22nd New Zealand Workshop. 22. 209-214 (2000)