2001 Fiscal Year Annual Research Report
ナタネ雌雄生殖細胞由来遺伝子の体細胞におけるエピジェネテイックな個別制御
Project/Area Number |
12660002
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
堤 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (40113964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 靖史 岩手大学, 農学部, 助教授 (70287100)
|
Keywords | シトシンメチル化 / インプリンティング / エピジェネティックス / ナタネ |
Research Abstract |
本研究はナタネ染色体のインプリンテイングを受ける遺伝子の同定を目的とした。インプリンテイングの特徴は生殖細胞の成熟過程でおこるシトシンのメチル化である。本研究はナタネにおけるインプリント遺伝子の同定のために、花粉特異的にメチル化された遺伝子をMS-RDA法で網羅的に同定し、その発現動態を解析した。これまでに、ORFをもつ核染色体遺伝子領域12、rRNA遺伝子領域2、クロロプラスト遺伝子領域1、ミトコンドリア遺伝子領域1を同定した。ORFをもつクローンのなかでデータベースに登録されているものと相同性のあったものは4クローンであり、他は未登録のものであった。これらのうち2つについてin vivoでのメチル化と発現動態を詳しく解析した。クローンの1つBnMyb1は動物Myb遺伝子と高い相同性を示した。対応遺伝子をクローニングし、得られた遺伝子断片を用いて、核内におけるメチル化の解析を行ない、本遺伝子領域中にメチル化レベルの高い領域および低い領域が存在すること、そのようなメチル化レベルは子房の遺伝子と異なることを確認した。本遺伝子は花粉や葉では発現せず、子房でのみ発現していたが、花粉成熟過程のどのステージでも発現していなかった。他のクローンMRA19は子房と葉でサイズの異なるmRNAを発現していた。成熟花粉では発現がみられないが、花粉成熟の初期(1核期後期〜2核期前期)に一過的に発現することがわかった。これらの花粉で高度にメチル化され発現が抑制された遺伝子はインプリンテイングに関連することが予想されるが、現在解析中である。
|