2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラッカセイの子実形成と転流に及ぼす植物ホルモンの影響
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12660011
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野島 博 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (30009550)
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Keywords | ラッカセイ / アブシジン酸 / 水耕栽培 / 転流 / 分配 |
Research Abstract |
ラッカセイは栄養成長と生殖成長の重複する期間が長い。すなわち、茎葉を成長させながら、子実形成を行う無限伸育型の植物である。さらに、地上部で開花・受精後、子房柄が伸長し地下で結実する。このため、開花数が多い割には、正常な子実になる割合が低い。原因の1つに同化産物の転流の悪さが上げられる。同化産物の転流・分配を改善するために、植物ホルモンの1つであるアブシジン酸(ABA)が有効である事が昨年度の結果から明らかになった。さらに、今年度は栄養条件、地下部の観察を容易にする目的で水耕栽培を行い、子実肥大へのABAの効果を子実一粒ごとにその肥大過程を追跡した。 その結果、開花前期の莢実では、莢の長さ、幅ともに肥大前半では無処理区と変わらないものの、肥大後半ではABA葉面処理の1ppm、10ppmで肥大が良好に進んだ。また、開花後期の莢実でもABA処理区で肥大は良好であった。したがって、ABA葉面処理による効果は、開花時期を問わず、子実の肥大前半では莢実の肥大にはあまり効果は見られないものの、肥大後半での肥大促進、また開花時期の遅い子実での肥大促進効果が認められた。ABAには莢実の肥大ステージによって異なり、肥大の後半で処理することでより効果的に作用するものと思われた。これらのことは、子実の肥大過程における内生植物ホルモンの動態から、肥大中期から後期にかけてのABAが増加することからも裏付けられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 篠原 卓 他: "ラッカセイにおける成熟期期間中の土壌水分条件と成熟期間の長さの違いが種子の発芽およびその後の生育に及ぼす影響"日本作物学会記事. 71. (2002)
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[Publications] 佐藤 亮 他: "ラッカセイ種子肥大期の遊離アミノ酸の転流に及ぼすアブシジン酸(ABA)の影響"日本作物学会記事. 70. 186-187 (2001)
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[Publications] 佐藤 亮 他: "ラッカセイ子実肥大期の窒素分配におよぼすアブシジン酸(ABA)の影響"日本作物学会記事. 69. 204-205 (2000)
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[Publications] 野島 博 他: "ラッカセイの子実肥大とアブシジン酸(ABA)含有量の関係"日本作物学会記事. 68. 132-133 (1999)
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[Publications] 野島 博 他: "ラッカセイの水耕栽培"日本作物学会関東支部会. 14. 44-45 (1999)
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[Publications] 石井龍一編集委員長: "作物学辞典"朝倉書店. 554 (2002)