2002 Fiscal Year Annual Research Report
ツツジ類への耐暑性と四季咲き性賦与に関わる生態育種
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12660031
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂田 祐介 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70041671)
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Keywords | ミツバツツジ / ヒラドツツジ / クルメツッジ / 耐暑性 / 四季咲き性 / 花色 / 花色素 / 生態育種 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 1999年度交配について,2000年9月からビニルハウス内セルトレイで育苗し,2002年3月にビニルポットに移植したものの生育は,クルメツツジとヒラドツツジ関連の交配ではおおむね良好で,生存率はさほど低下しなかったが,ミツバツツジ関連の交配のうち,コバノミツバツツジ×オンツツジで枯死する個体がかなり生じた.2000年度交配について,生存したものを,2002年5月にビニルハウス内セルトレイで育苗したものの生育は良好で,いずれのツツジの交配組合わせでも,生存率はさほど低下しなかった.2001年度交配について,2002年4月〜12月にかけて高温・多肥・多湿条件下で育苗した実生の生育は徐々に悪化し,8月〜9月にかけてほとんどの交配組合わせで生存率は急速に低下した.以上の結果から実生2年目に当たる梅雨から夏季の環境ストレスが耐暑性に関する篩いになっていると推察された. 1997年度交配について,クルメツツジ関連では,F_1雑種154個体が開花した.花色はすべて赤紫で,これらはマルバサツキの色素生成機構を強く引き継いでいた.また,クルメツツジ特有の二重咲き花(ホーズイソホーズ)がF_1にほぼ50%の割合で出現したことから,クルメツツジの二重咲き形質は遺伝的にヘテロの状態にあることが判明した.一方,ヒラドツツジ関連では,9〜12月に開花したF_1雑種126個体の花色分析から,デルフィニジン系色素生成に関して,交配親のキンモウツツジや「御代の栄」など朱赤〜赤桃色の花弁は劣性ホモ型,また,「曙」,「白妙」,「大紫」などはヘテロ型であることが判明した. クルメツツジ並びにヒラドツツジ関連のF_1雑種について自家受粉と戻し交雑を行い,種子を得た.
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