2001 Fiscal Year Annual Research Report
微量複製型二本鎖RNAの改変RAPD法による未知ウイルス遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
12660041
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
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Keywords | 難純化RNAウイルス / 複製型二本鎖RNA / PCR / キュウリ黄化ウイルス / tomato infectious chlorosis virus / 簡易検出法 |
Research Abstract |
作物のウイルス病では迅速・簡便・正確・安価・安全に病原ウイルスを検出同定し,防除方法を確立することが重要であるが,いまだに一部のRNAウイルスでは純化が困難なために抗血清の作製はおろか塩基配列の情報もないような状態である。そこで本研究では難純化RNAウイルスの塩基配列を簡易に解析する方法を確立することを目的とし、まずその増殖過程で生ずる複製型二本鎖RNAに着目した。二本鎖RNAは健全植物にはほとんど含まれていない。種子伝染性潜伏ウイルス(Cryptovirus)由来の二本鎖RNAが健全植物から検出されこともあるが、これはRNAウイルス由来の複製型二本鎖RNAとは容易に区別できる。しかし、このような複製型二本鎖RNAを精製してクローニングするには多大な労力が必要である。そこで各種RNAウイルスについて,簡便なPCR法で一本鎖あるいは二本鎖のRNAを増幅できないか検討し、今年度は次のような結果を得た。 (1)すりつぶした感染葉汁液をPCRチューブに入れ,その後チューブを軽く洗浄してからcDNA合成とPCRを行っても容易にウイルスのRNAを増幅できることが判明した。この場合、TMV以外では水の添加でウイルス粒子が壊れてRNAが放出されることが判明した。これについては現在論文を執筆中である。 (2)キュウリ黄化ウイルスでは複製型二本鎖RNAを用いてゲノムRNAの全長の全塩基配列を世界に先駆けて決定した。これについては現在論文を執筆中である。 (3)キュウリ黄化ウイルスと近縁で温室コナジラミ伝搬性のtomato infectious chlorosis virusの発生をわが国ではじめて確認した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Suastika, G., Natsuaki, T., Terui, H., Kano, T., Ieki, H., Okuda, S.: "Nucleotide sequence of citrus tristeza virus seedling yellows isolate"Journal of General Plant Pathology. 67(1). 73-77 (2001)