2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子タギング法による土壤病害発病メカニズムの解析
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12660051
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
有江 力 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00211706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 高志 理化学研究所, 微生物制御研究室, 先任研究員 (70177559)
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Keywords | Fusarium oxysporum / トマト萎凋病菌 / キャベツ萎黄病菌 / 形質転換 / REMI / 病原性変異株 / TAIL-PCR / アスパラギン酸プロテイナーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、土壌伝染性植物病害の発病メカニズムを解析することであり、そのモデルとして、重要土壌病原菌であるFusarium oxysporumを用いて研究を遂行している。F.oxysporumの持つ病原性関連遺伝子(群)の取得を、本年度は以下の様に試みた。 1 F.oxysporumの病原性野生株(トマト萎凋病菌F.oxysporum f.sp. lycopersiciおよびキャベツ萎黄病菌f.sp.conglutinans)に対して、薬剤耐性遺伝子をマーカーとして持つ直鎖化プラスミドを用いたREMI法により、形質転換を行った。その結果、前者で約1700株、後者で約150株の形質転換体(薬剤耐性株)を取得できた。得られた形質転換株は、それぞれ本来の寄主植物であるトマトおよびキャベツに対する接種試験を行い、病原性に変異(病原性喪失・弱病原性・寄主特異性変化)が見られた株を選抜した。これまでに、トマト萎凋病菌由来の病原性変異株7株、キャベツ萎黄病菌由来の病原性変異株1株を取得した。 2 選抜した病原性変異株のうち、トマト萎凋病菌由来の病原性変異株3株、キャベツ萎黄病菌由来の病原性変異株1株について、タギングされた部位の近傍遺伝子領域をTAIL-PCR法等によって回収することを試みた。これまでに、キャベツ萎黄病菌由来の病原性欠損変異株REMI10株について遺伝子領域のクローニングを終了した。 3 キャベツ萎黄病菌由来の病原性欠損変異株REMI10株においてタギングされていた遺伝子が病原性に関与するものであるか否かの確認のため、野生株の同遺伝子の破壊(二回相同組換えによる)用ベクターを構築した。 4 キャベツ萎黄病菌由来の病原性欠損変異株REMI10株においてタギングされていた遺伝子領域のDNA塩基配列を決定し、データベース中の既知遺伝子との相同性解析および遺伝子の構造解析から、アスパラギン酸プロテイナーゼ(FAP)がコードされていることを推定できた。 5 RT-PCRにより、fap遺伝子がタンパク質を含む培地中で発現していることを明らかにした。
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[Publications] T.Arie et al.: "Mating-type genes from asexual phytopathogenic ascomycetes Fusarium oxysporum and Alternaria alternata"Mol.Plant-Microbe Interact.. 13・12. 1330-1339 (2000)
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[Publications] S.-H.Yun et al.: "Mollecular organization of mating type loci in heterothallic, homothallic, and asexual Gibberella Fusarium species"Fungal Genet.Biol.. 31・1. 7-20 (2000)