2000 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるグルタチオンの異化とシステインのリサイクル系に関する研究
Project/Area Number |
12660059
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関谷 次郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (10035123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 幸男 京都大学, 農学研究科, 助手 (40293914)
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Keywords | グルタチオン / γ-グルタミルトランスフェラーゼ / ジペプチダーゼ / システィンのリサイクル |
Research Abstract |
高等植物では硫酸イオンから還元同化経路で生成するシステインの蓄積量は極めて小さい。大部分はシステインを含むトリペプチドであるグルタチオン(GSH)として蓄積されているといわれ、システインの再利用にあたってはGSHの異化経路が働く必要がある。本研究では異化経路に関与していると考えられるγ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)とジペプチダーゼ(DP)の精製と諸性質の解析を行った。γ-GTはダイコン子葉から種々のカラムクロマトグラフィーや等電点クロマトグラフィーを用いて精製し、等電点の異なる(4.9と4.7)2つの酵素(A,B)を得ることができた。γ-GTのグルタミル基受容体としてはメチオニン、アルギニン、ACC等がよい受容体であった。また受容体なしでも加水分解活性あるいは転移活性が認められた。A,Bいずれの性質も非常によく似ており、この両者は糖鎖の違いによるものと推定している。DPはシステイニルグリシン(CysGly)を基質としてシステインの生成を定量して活性測定した。この方法でCysGlyを加水分解してシステインを生成するDPが存在することを示し、種々のカラムクロマトグラフィーや色素アフィニテイークロマトグラフィー等で電気泳動的に単一に精製した。分子量約40,000のホモ4量体と推定した。アミノ末端のアミノ酸配列は検討中である。阻害剤の検討からこのDPは金属プロテアーゼに属することが示唆された。またCysGlyあるいはγGluCysをよい基質とし、GSHはよい基質ではなかった。今後アンチセンス植物作成のためのcDNAの単離等を行う予定である
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