2001 Fiscal Year Annual Research Report
鉄型ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質の構造機能相関の解析
Project/Area Number |
12660093
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
遠藤 勲 宇都宮大学, 農学部・生物生産科学科, 教授 (00087470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
養王田 正文 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50250105)
尾高 雅文 理化学研究所, バイオ工学研究室, 研究員 (20224248)
上田 俊策 宇都宮大学, 農学部・生物生産科学科, 助教授 (80160167)
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Keywords | システインスルフェン酸 / システインスルフィン酸 / 非ヘム鉄蛋白質 / 翻訳後修飾 / ニトリルヒドラターゼ / 金属シャペロン |
Research Abstract |
鉄型ニトリルヒドラターゼ(NHase)は、活性中心である非ヘム鉄センターにシステインスルフェン酸(Cys-SOH)、システインスルフィン酸(Cys-SO2H)というシステイン酸化体を配位子として有することが明らかにされた初めての蛋白質である。この修飾の触媒反応に対する機能および生成機構はまたく解っていない。申請者らは鉄型NHase遺伝子下流に存在するORFがこの酵素の組換え体発現に必須であることを見出した。この結果は、このORF産物はニトリルヒドラターゼ特異的な金属シャペロン様分子として働くNHase活性化蛋白質であることを示唆している。また、同様にコバルトを中心金属とするNHaseにおいても構造遺伝子下流に活性化蛋白質遺伝子がコードされていることが示唆されている。本研究課題では、NHase活性化蛋白質の機能を明らかにし、NHaseにおける新規な活性中心形成機構を明らかにすることを研究目的とする。本年度はNHase活性化蛋白質をネイティブな条件で発現させて単離精製し、その機能を解析した。NHase活性化蛋白質遺伝子をT7プロモータ下流にサブクローニングした発現プラスミドを27度で培養し、0.1mMIPTGで10時間誘導し、NHase活性化蛋白質が可溶性画分に発現させた。菌体を超音波破砕した後、SuperQトヨパール、Butylトヨパールカラムを行い、NHase活性化蛋白質をSDS電気泳動CBB染色でほぼ単一バンドとなるまで精製することに成功した。精製したNHase活性化蛋白質を尿素変性したNHaseαサブユニット、NHaseβサブユニットまたは両サブユニットの混合物と種々の条件で混合し、NHase再構成の促進活性を調べたが、いずれの条件でもウシ血清アルブミンと同程度の促進効果しか示さなかった。また、翻訳後修飾の形成促進効果に関しても同様であった。以上の結果は、NHase活性化蛋白質の機能は、NHaseサブユニットのリフォールディングとは別のメカニズムにあるか、更に別の因子の存在を必要としている可能性を強く示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Endo, Isao: "Fe-type nitrile hydratase"Journal of Inorganic Biochemistry. 83. 247-253 (2001)
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[Publications] Odaka, Masafumi: "Post-translational modifications in nitrile hydratase family"RIKEN Review. 41. 58-60 (2001)
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[Publications] 遠藤 勲: "生物と金属 金属イオンの生体内で働く仕組み(産業に役立つ酵素)"株式会社 クバプロ. 207 (2001)