2002 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分とのラジカル終結反応生成物に基づくフードフェノールの抗酸化機構研究
Project/Area Number |
12660116
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 俊哉 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (10219339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 美雄 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70025716)
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Keywords | 抗酸化機構 / ラジカル終結反応 / クルクミン / カルノシックキノン / ウコン / セージ / カルノシックアシド |
Research Abstract |
前年度までに解明されたクルクミンの抗酸化機構については,今年度学術誌に報告した。続いて,シソ科のハーブであるセージやローズマリーの主要抗酸化フェノールであるカルノシックアシドについてその抗酸化機構を,抗酸化反応におけるラジカル終結反応生成物から解明した.カルノシックアシドからの生成物は,カルノシックキノンとカルノシックパラキノンであり,それらが同時に生成することをHPLCによる精密分析の結果見出した。その生成過程を詳細に検討した結果,カルノシックアシドの11位がまずラジカルトラップをし,続いてそのオルト位ならびにパラ位でペルオキシラジカルをトラップし,続く分解反応により上記キノン体2種を生成することが判明した。さらに,主生成物であるカルノシックキノンは,溶液にしておくと強い抗酸化性を示すことを今回はじめて発見した.その機構に検討を加えた結果,カルノシックキノンは,抗酸化性がなく,抗酸化反応に安定であるが,化学的には不安定で,容易に自己不均化反応をおこし,カルノシックアシドを再生することがわかった.この再生カルノシックアシドが主として強い抗酸化性を示すことをHPLCを用いた分析により解明した。このレドックス抗酸化回復機構は,これまでにまったく知られていなく,カルノシックアシド類の酸化抗酸化反応に新たな成果をもたらした.これはカルノシックアシノドの源であるシソ科ハーブの強い抗酸化性を説明しうる事実と考えられた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiya Masuda: "Structural Identification of New Curcumin Dimers and Their Contribution to the Antioxidant Mechanism"J. Agric. Food Chem.. 50・9. 2524-2530 (2002)
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[Publications] Toshiya Masuda: "Recovery Mechanism of the Antioxidant Activity from Carnosic Acid Quinone, an Oxidized Sage and Rosemary Antioxidant"J. Agric. Food Chem.. 50・21. 5863-5869 (2002)