2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660117
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 郁男 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (40136544)
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Keywords | シトステロール / カンペステロール / SHRSPラット / 植物ステロール / コレステロール / 吸収 / ABCG5 / ABCG8 |
Research Abstract |
これまで、SHRSPラットでは、植物ステロールのうちカンペステロールおよびシトステロールを特に体内に高蓄積し、その主要な原因は、吸収率の増加であることを示した。さらに、SHRSPラットの小腸粘膜サイトソール中に、シトステロールの転送を促進するタンパク質が存在する可能性を示した。最近、植物ステロールを高吸収する疾患であるsitosterolemia患者でABCG5およびABCG8の遺伝子に異常が見いだされたことから、本研究では、SHRSPラットでもこれら遺伝子に異常が存在するかどうかを調べた。まず、SHRSPラット肝臓からABCG5およびG8の遺伝子のクローニングを行った。いずれの遺伝子のクローニングも困難を極め、かなりの時間を要したが、ABCG8については、クローニングに成功した。その配列をすでに報告されているBNラットの配列と比較したが、配列に異常は発見されなかった。一方、ABCG5については、現在、一匹でのみ、クローニングに成功したが、配列に異常があるかどうか確かめるには何匹かのデータが必要であるため、さらにクローニングを行っているが、今のところ成功していない。一方、SHRSPラット小腸および肝臓でのABCG5およびABCG8の発現量を、植物ステロール蓄積の少ないWKAおよびWistarラットと比較したところ、小腸では差がないものの、肝臓では、WKAラットで他のラットに比較し、極めて高い発現量を示した。ABCG5およびG8の機能については、全く知られておらず、本実験での結果がどのような意味を持つのかは今のところわからない。しかし、今後さらに検討することで、ABCG5およびG8の機能が明らかにできると、考えられる。
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