2001 Fiscal Year Annual Research Report
土砂輸送レートの水系内分布特性と水系土砂動態の解析
Project/Area Number |
12660126
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
清水 收 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20178966)
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Keywords | 土砂輸送 / ダム堆砂 / 流砂量 / 補促足率 / 地質 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、空知川流域内の8流域において治山・砂防ダムの堆砂量調査から土砂輸送レートを得た。そして、これらを加えた空知川流域内と沙流川流域内の合計61流域の土砂輸送レートについて、その規定要因を検討した。さらに、ダム完成から約30年間にわたって堆砂量計測が行われている沙流川流域の岩知志ダムと空知川流域の金山ダムの貯水池堆砂資料について、貯水池の土砂捕捉率を考慮して年比流砂量を見積もった。 1.61流域の土砂輸送レートは、第一には地質によって区分された。すなわち、活火山流域と新第三紀堆積岩流域は10^3m^3/km^2/yrオーダーであり、白亜紀堆積岩地域と第四紀火山岩地域は10^2m^3/km^2/yrオーダーであった。水系網特性との関係については、現在も解析途中である。 2.貯水池の土砂捕捉率は、貯水容量と年間総流入量との比をパラメータとした既往研究の関係式から求めた。発電専用の岩知志ダムでは貯水容量が小さいため、その土砂捕捉率はダム完成当初でも50%、堆砂が進んだ近年では15%であり、堆砂量をそのまま流砂量と考えることはできない。流砂量は堆砂量を捕捉率で除することによって求められ、その結果30年間で平均した年比流砂量は565m^3/km^2/yrと計算された。この値は、筆者の別の研究で得られた斜面崩壊による長期の土砂生産レート1000m^3/km^2/yrとほぼ調和し、また下流の二風谷ダムにおける実績堆砂量ともよく近似している。 3.一方、多目的の金山ダムは貯水容量がきわめて大きいため、ダム完成30年後の近年でも土砂捕捉率は94%であった。したがって、流砂量は堆砂量にほぼ等しいとみなされ、30年間で平均した年比流砂量は45m^3/km^2/yrと計算された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Osamu Shimizu: "Sediment budgets to estimate transport rates and residence times of sediment in small mountain basins"Transactions, Japanese Geomorphplpgical Union. 22・4. 219 (2001)
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[Publications] 新谷 融: "流域動態の認識とその方法"北海道大学図書刊行会. 244 (2001)