2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660131
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小見山 章 岐阜大学, 農学部, 教授 (60135184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 正吾 岐阜大学, 農学部, 助手 (20324288)
伊藤 栄一 岐阜大学, 農学部, 講師 (00176322)
戸松 修 岐阜大学, 農学部, 教授 (50111836)
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Keywords | 根密度 / 広葉樹 / ヒノキ / 斜面 / 地下部 / スギ / 根系 / 垂直分布 |
Research Abstract |
調査地は、岐阜県益田郡萩原町にある岐阜大学附属演習林とし、傾斜23°である斜面上の人工林とした。調査木は、ヒノキ・カラマツなどの周辺木から孤立しているヒノキ(樹齢48年、樹高11.88m、胸高直径14.2cm)とし、調査木の根元から3方向の斜面位置(斜面上部、斜面側部、斜面下部)にトレンチ(100cm×20cm×60cm)を設定した。 トレンチ内の根株を含む平均根密度は、斜面上部11.35kg m^<-2>60cm^<-1>、斜面側部10.23kg m^<-2>60cm^<-1>で、斜面下部5.42kg m^<-2>60cm^<-1>であった。根密度は深さとともに減少する垂直分布を示し、いずれの斜面位置でもその減少パターンは指数関数に適合した。斜面位置毎の根密度の減少パターンから、斜面方向毎の根量を算出し、個体全体の根量(11.14kg)を得た。この個体の地上部重は、60.41kgであったことから、T/R率は5.42となった。斜面方向毎では、個体全体の根量の約81.59%が斜面下部・側部方向に分布していると推定された。また、深さ30cmまでに、全根量の94.4%が分布していた。 これまでヒノキは浅根型に分類されており今回の調査結果でも浅根性を示した。しかし、根の垂直分布は斜面方向で異なっており、傾斜が根系分布に影響を与えていた。今回の結果から、一般に浅根性と言われるヒノキにおいても、傾斜によって異なる可能性が示唆された。したがって、針葉樹・広葉樹といった異なる樹種間でも根の浅根性・深根性を比較するためには、斜面勾配をとくに考慮する必要があることがわかった。また、斜面位置毎に根量の分布の偏りは、地際部幹断面における年輪中心の偏りと関係性があることがわかった。地際部の肥大成長を詳細に把握することで斜面位置毎の根量を推定できる可能性があることがわかった。
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