2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660147
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 友昭 静岡大学, 農学部, 教授 (10252165)
鈴木 恭治 静岡大学, 農学部, 教授 (00109133)
祖父江 信夫 静岡大学, 農学部, 教授 (50023495)
名波 直道 静岡大学, 農学部, 助教授 (10291395)
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Keywords | セルロース誘導体 / シアノエチル化ヒドロキシエチルセルロー / 圧電性 / 焦電性 / 電気機械結合係数 |
Research Abstract |
本研究では天然に多く存在するセルロースからポリフッ化ビニリデンのような高圧電性の物質を得ることを目的としている。強誘電性の物質は焦電性を示し、焦電性の物質は圧電性を示す。高い圧電性のセルロース誘導体を得ること、セルロース誘導体で焦電性、強誘電性を示す材料を得ることの可能性について検討する。本年度の成果の概要を示すと以下のようになる。 1.前年度までに、シアノエチル化ヒドロキシエチルセルロースがセルロース誘導体の中で最も圧電率が高く、ポリフッ化ビニリデンと同程度の圧電率を示すことが明らかとなった。特に、電気エネルギーと機械エネルギーの相互変換の割合を示す指標である電気機械結合係数の検討を行った。振動リード法により動的弾性率、力学的損失正接、tanδの挙動を調べ、振動時の圧電分極の電気的な影響による力学的エネルギーロスを検討した。試験片両面の電極を短絡した状態(電場一定、ST状態)と開放した状態(電気変位一定、OP状態)で共振周波数を調べ電気機械結合性を調べた。OP状態での共振周波数はST状態でのそれに比べ、多くの場合で高く、電気結合係数が求められた。また、力学的損失正接もOP状態に比べ、ST状態で大きな値を示すことが多く、ST状態でエネルギー損失が大きいと判断された。 2.シアノエチル化ヒドロキシメチルセルロースの合成は現在の段階では成功していない。今後の更なる検討が必要である。 3.焦電性の検討を始めた。シアノエチル化ヒドロキシエチルセルロースを用いて焦電性能指数を求めた。温度20-80℃で焦電性を調べたところ60℃付近より温度の上昇とともに分極電荷の著しい増加が見られた。ポーリングを行うことにより高い焦電性を示すことが期待される。
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