2001 Fiscal Year Annual Research Report
打撃音の波形解析による木材欠陥の認識と製材の機械等級区分への応用
Project/Area Number |
12660148
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
祖父江 信夫 静岡大学, 農学部, 教授 (50023495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 毅尚 島根大学, 理工学部, 助手 (90314616)
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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Keywords | 木材欠陥 / 打撃音 / 波形解析 / 位置予測 / 対数減衰率 / 強度予測 |
Research Abstract |
木材の木口面打撃の波形解析と木材強度の予測への応用について検討した。 1.打撃音の波形解析と欠陥認識への応用 前年度の欠陥導入の実験結果から、欠陥によるスペクトル周波数の移動は欠陥の大きさと位置で決まることが確かめられた。そこで、伝達マトリックス法による計算値と実験値を用いて周波数シフトの定量化を行い、相関の高い実験式が誘導できた。次に、周波数情報から欠陥の位置を特定する方法を提案した。1次から5次の固有振動数と上記実験式を用い、欠陥位置を未知数として固有振動数の予想シフト量と実際のシフト量の一致の度合いを評価し、ずれの最小を与える欠陥位置を探索することによって解を得た。モデル実験では2つの欠陥がある場合まで、実大木材でも比較的大きな節の存在は特定できた。 2.波形解析による振動パラメータの測定 打撃音は高次の高調波による多くの情報を含むが、原波形は複雑すぎて正確な振動パラメータが得られない。そこでフーリエ変換によるフィルタ処理を用いて原波形から高調波を弁別し、さらにヒルベルト変換によって各振動次数毎の対数減衰率を求めることができた。また、瞬間周波数の分析による擬似的な時間-周波数分析の可能性が示唆された。 3.木材強度予測への波形情報の利用 有節の小試験体と実大材による強度実験を行った。高調波の周波数の周期性の乱れと比曲げ強さには負の相関がみられ、対数減衰率の大きな試験体では比曲げ強さの小さいものが現れた。これらの波形情報は、木材強度予測の向上に利用できる可能性が示唆された。
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