2001 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の酸化ストレス応答及びスーパーオキシドジスムターゼに関する研究
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12660186
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
長富 潔 長崎大学, 水産学部, 助教授 (40253702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 研治 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039737)
石原 忠 長崎大学, 水産学部, 教授 (40039722)
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Keywords | スーパーオキシドジスムターゼ / SOD / 魚類 / 精製 / クローニング / 魚病 / 細菌感染症 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究では、組換えDNA技術を用いて、魚類のSOD遺伝子並びにその5'-フランキング領域をクローニングしてその一次構造を決定し、分子レベルでの魚類SODの構造・機能並びにプロモーター領域を明らかにすること、更には、DNAプローブや本酵素を認識する特異抗体を利用することにより、魚類の酸化ストレス応答を明らかにすることを目的とする。昨年度後半、ヒラメの肝膵臓よりCu, Zu-SOD及びMn-SODを単離精製し、その酵素学的諸性質を明らかにした。次いで精製酵素を用いて、両酵素のN末端のアミノ酸配列を決定した。本年度は、その情報に基づいてデザインしたプライマーを用いRT-PCR、5'-RACE及び3'-RACEによりSOD遺伝子のクローニングを行い、全長に相当する両SOD遺伝子のcDNAが得た。cDNAの塩基配列より両SODの全一次構造を決定し、哺乳類や植物、微生物由来酵素の構造を比較することにより相同性や活性部位の位置を推定した。更に、現在GST-融合タンパク質発現系による両SOD遺伝子の大腸菌による高発現系の構築を行っているところである。次年度は、cDNAフラグメントをプローブとして、ゲノムDNAからSOD遺伝子の5'-フランキング領域のクローニングを行い、遺伝子の発現調節部位推定すること、更に再びヒラメにEdwardsiella tarda(代表的細菌感染症であるエドワジエラ症の病原細菌)を感染させ、その感染系を用いて病態の進行に伴うSODの挙動の変化をmRNA及びタンパクレベルで調べる予定である。
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[Publications] K.Osatomi: "Purification, N-terminal amino acid sequence, and some properties of Cu, Zn-superoxide dismutase from Japanese flounder(Paralichthys olivaceus)hepato-pancreas"Comparative Biochemistry and Physiology Part B. 128. 751-760 (2001)
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[Publications] 長富 潔: "細菌感染に伴うヒラメのCu, Zn-SOD活性の変化"日本水産学会誌. 68・2. 206-212 (2002)