2001 Fiscal Year Annual Research Report
クラゲ類自己溶解液に存在する赤潮プランクトン殺藻物質の同定および応用性
Project/Area Number |
12660192
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
廣海 十朗 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (30112923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 直行 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80151885)
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Keywords | クラゲ / 自己溶解液 / 殺藻物質 / 不飽和脂肪酸 / Heterosigma akashiwo / Heterocapsa circularisquama / アコヤガイ / 赤潮防除 |
Research Abstract |
殺藻物質の同定 アンドン及びアカクラゲの自己溶解液から、Bligh-Dyer法、シリカゲルTLC、Superdex peptide HR10/30カラムによるゲル濾過及びL-columnによる逆相クロマトグラフィーにより、アンドンクラゲで5種の、アカクラゲで1種の赤潮藻類Heterosigma akashiwoを殺藻する物質を単離した。これらをLC-MSにより構造解析した結果、アンドンクラゲの5種のうち3種は、不飽和脂肪酸であるDocosahexanoic acid(M.W=328、22:6)、Eicosapenaenoic acid(M.W=302、20:5)及びHeptadecamonoenoic acid(M.W=268、17:1)であり、他の2種は、分子量344(R1+R2+R3のC総数13、二重結合7)及び346(R1+R2+R3のC総数13、二重結合6)のトリアシルグリセロールであると推測された。また、アカクラゲの殺藻物質はTetradecaheptaenoic acid(M.W=227、15:7)であると推測された。 ミズクラゲ産生殺藻物質の有害・有毒藻類防除にむけた応用性 有毒藻のHeterocapsa circularisquama(以下H.C)は貝類に感染し、我国におけるカキや、アコヤガイなどの養殖に甚大な被害をもたらす。ミズクラゲの産生する殺藻物質の有毒藻類除去にむけた応用性を検討した。H.C感染貝(アサリ、アコヤガイ)を5%(v/v)ミズクラゲ自己溶解液(白濁除去処理済み)に浸漬したところ、8時間後で初期細胞数の60-90%、13時間後で95%のH.Cが貝を殺さずに除去された。このことから、貝の無毒化あるいはH.C感染拡大の防除に向けた実用化が期待される。
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