2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12660200
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 昌之 京都大学, 農学研究科, 教授 (20003147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 伊久雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (00252495)
栗原 伸一 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手
大江 靖雄 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60302535)
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Keywords | 中食 / 消費行動 |
Research Abstract |
今年度は、イタリアにおける大学生の中食行動について、アンケート調査を行ったのでその結果について、報告する。イタリアは、西欧の中では、ラテン的・地中海的な食事文化の伝統から、内食および外食が単に食生活の面のみならず社会的な活動としても重要な役割を果たしてきた。他方で、ピッザやパニーニ(硬パンのサンドイッチ)、トラメッシーニ(三角サンドイッチ)など、中食としての食文化も発達している。 今回の調査の概要は以下のとおりである。イタリア中部のウンブリア州の国立ペルージア大学農学部キャンパスにおいて学生を対象にして、2000年9月26日から27日に、対面調査により、昼食およびに夕食時における中食の回数、選択の基準および年齢、出身、学部などの属性について記入を依頼した。回答数は55人であった。 集計結果についてみると、昼食時の利用で最も多いのが、パニーニで週に2.3回で、次いで、ピッザが1.8回、トラメッシーニが1.6回となり、外来の中食形態であるハンバーガーは1.1回と最も少なかった。また、夕食時の利用では、ピッザが1.8回、トラメッシーニが1.7回で、パニーニとハンバーガーがともに1.4回であった。選択時の基準について、1位から3位まで順番づけを依頼したところ、栄養面、健康面、次いで味という順番であり、便利さは4位であった。夕食時においては、同様に栄養面、味、次いで健康面という順で、便利さは、価格に次いで最も順位が低かった。つまり、夕食では、便利さは重要な要因となっていない。 以上をまとめると、イタリアの大学生は、便利さに基づく中食の選択がそれほど重要視されていない。わが国では、便利さが重要な中食の要因になっていることを考えると、大きな違いがみられる。これは、親と同居して通学している学生が、43%に達しており、地元からの通学が多いことも作用していると考えられる。
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[Publications] 石本秀正,栗原伸一,大江靖雄,吉田昌之: "「中食」消費行動の要因分析-大学生を対象としたアンケート調査から-"千葉大学園芸学部学術報告. 54. 65-71 (2000)
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[Publications] 大江靖雄(共執): "消費者と食料経済"中央経済社. 224 (2000)