2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660213
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
倉島 栄一 岩手大学, 農学部, 助教授 (30178082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 徹 宮城県農業短期大学, 農業土木科, 教授 (70070224)
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Keywords | 融雪洪水解析 / ライシメータ / 地表面到達量 / 融雪熱収支 / 鉛直浸透 / ショックフロント |
Research Abstract |
1.観測について 岩手大学御明神演習林内の下滝沢地点で傾斜地および水平面での融雪水の浸透についての観測と融雪熱収支に関する気象要素の観測を行った.これと併行して同演習林を流域とする赤沢川の流量観測を行った. 水平面における融雪水の浸透の観測は,地表面に1×1mのライシメータを設置し,到達する融雪水を捕捉する方法を採用した.傾斜地での浸透の観測方法は,1×2mのライシメータを斜面上に設置し,側方浸透によってライシメータ外に流出する融雪水を除いた地表面到達水を観測するものである. これらの観測は水平面および傾斜面での融雪水の浸透に関する解析手法の構築,流域内の微細気象の推定,融雪洪水解析を進めるためのものである. 2.融雪水の鉛直浸透について 積雪の熱および質量の収支モデルによって積雪の表層付近で生ずる融雪量を推定した.推定値を観測された水平面における地表面到達量と比較したところ両者の時間分布に差が生ずることが明らかになった. Tuker and Colbeck(1977年)は極地方の氷河域や積雪地帯を対象として,積雪内部の任意の深さにおける融雪水の浸透フラックスを推定した.この方法を,わが国で一般的に見られる融雪期の融雪パターンに適用できるように改良し,観測地点における地表面到達量を推定した.その結果,ピーク以降では,良好な再現性が得られたが,浸潤線の衝突によって形成されるショックフロントが地表に到達する以前に生じた融雪水が無視され,その欠損量が最大30%になること,また融雪洪水解析の過程の一つとして,浸透解析を行うためには,ショックフロントの消長をリアルタイム掌握する必要があることなどの問題点が明らかになった.
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Research Products
(1 results)