2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660216
|
Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤居 良夫 信州大学, 工学部, 助教授 (60181327)
|
Keywords | 中山間地域 / 環境指標 / 国土保全機能 / 住民意識 |
Research Abstract |
国土の均衡ある発展,ひいては地球環境問題への対処を踏まえて,環境保全・国土保全の観点から中山間地域を保全していく必要性があるとの認識から,中山間地域における物理的・社会的・経済的など様々な環境条件を反映する個々の環境指標を整理統合して,総合的な環境指標を展開することにより,中山間地域の健全性を表す指標を構造化して,効果的な中山間地域の保全対策を行うための一つの基準となるべき指標を導出することを目的として,代表的地域を対象にGISを用いた空間分析および住民意識調査を実施して環境指標の総合化を図った。 (1)典型的な中山間地域である長野県小県郡の4町村(丸子町・武石村・和田村・長門町)を調査対象地域として設定し,農林業生産・集落の現況・地域資源の維持管理状況・自然環境等に関する現地調査および資料収集を行い,地形,地質,土壌,植生等のデータベースを作成した。さらに,ランドサットTMデータを用いて土地利用のデータベースを作成した。これらを利用して,中山間地域における国土保全機能として,土砂崩壊防止機能,洪水防止機能,土壌侵食防止機能,大気浄化機能を面的に定量的評価を行い,その5機能を統合して総合国土保全機能を表す指標を構築した。 (2)中山間地域における快適性の環境指標を求めるため,アンケートにより環境に対する住民意識調査を実施した。これを利用して,自然環境・生活環境,農林業環境,安全環境に関する個別的環境状態の評価値から住民意識による総合環境評価指標を構築した。 (3)以上の総合国土保全機能を表す指標と住民意識による総合環境評価指標とを統合し,環境資源の保全・管理・活用を可能とする集落を最小単位とした中山間地域における環境の総合指標を構造化した。これは様々な環境条件を反映する個々の環境指標の中から,物理的な側面と住民のアメニティ環境の側面を抽出して中山間地域の健全性を表す総合的な環境指標の一つになると考えられる。
|