2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660227
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
志賀 徹 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30089932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (50221990)
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Keywords | 養液栽培 / 有機質培地 / 養液循環 / 三相分布 / 吸水特性 / 根圏環境制御 |
Research Abstract |
養液栽培において多く用いられるロックウール培地に代わる有機質培地の利用を試み、有機質培地の栽培特性を明らかにするとともに、養液の循環再利用をめざした栽培植物の根圏環境制御システムの構築を行った。有機質培地としてスギ、ヒノキ樹皮の混成材を圧縮成型したものを組織片の大きさにより分け試験区として、ロックウール培地を対照区として、以下のような測定を行った。(1)培地の三相分布、(2)吸水時の密度、含水率、(3)浸漬培地の養分吸脱着特性、(4)培地の経時的特性変化、及び(5)底面毛管吸水方式によるミニトマトの栽培実験。特に有機質培地は裁断された組織片の大きさを揃えることが困難であるため、この組織片の大きさが培地の物理特性、栽培に及ぼす影響を検討した。 1.底面のみ浸水させた樹皮培地は、組織片の大きさにかかわらずほぼ4〜10%の固相率を示したが、液相と気相の割合は構成する組織片の大きさによって大きく変化し、組織片が小さくなるにつれ液相率が大きくなり、組織片1mm未満では液相率が50%以上を占め、植物栽培条件としては不適であった。また底面からの高さも三相分布に影響し、組織片2mm以上では液相率は20%以下と変化が少なかったが、1〜2mmの組織片の大きさでは底面は70%以上の液相率となるが、上部(底面より20cm以上)では約10%と段階的に変化し、適切な三相分布であった。対照区のロックウールも同様な変化であった。 2.底面吸水方式によりミニトマトを栽培した結果、樹皮培地は対照区に比べ草丈において成長が劣ったが茎径や花数、果実数は同程度かまたは優れていた。また根の分布状況は三相分布と相関があり、水分のあるところに集中する傾向にあった。ただし組織片1mm以下の試験区は液相率が大きすぎ生育不良が認められた。樹皮の組織の大きさは1mm以上が生育に良好であった。
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