2000 Fiscal Year Annual Research Report
生物系廃棄物のコンポスト化過程で排出される温室効果ガスの農業利用
Project/Area Number |
12660236
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡辺 兼五 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (50221990)
東城 清秀 東京農工大学, 農学部, 助教授 (40155495)
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Keywords | 生物系廃棄物 / コンポスト / 温室効果ガス / ガス回収 / 藻類 |
Research Abstract |
農産廃棄物や食品加工残渣などの廃棄物処理法としてコンポスト化が注目されているが、処理過程で排出されるガスは未処理のまま野外に排出されるケースが多い。本研究では、コンポスト化過程で発生するガスを回収し、その成分を作物栽培等で利用するシステムの構築を最終目標とした。本年度は、システムを構成する主要要素の設計諸元を求めるため、以下のような基礎実験を行った。 小型のコンポスト化ユニットとガスを回収する微生物担体充填回収ユニットを試作し、発生ガスを回収ユニットに通気して、ガス回収を行うとともに、回収されたガス成分を利用して作物栽培を行った。実験材料としてドッグフードを用いてバッチ式の実験を行い、発生するガス成分の中で二酸化炭素とアンモニアに注目し、その濃度の経時変化、担体充填回収ユニットでの吸着等の測定を行い、空気の通気量がガスの発生量や回収率に及ぼす影響について検討した。また、回収ユニットの循環水を供試して、スピルリナとクロレラを培養する実験では、各態窒素濃度の変化や同化率等を測定し、循環水の硝化と成分利用について検討した。 実験の結果、以下のことが明らかとなった。アンモニアは発酵開始から4日目頃から発生し、長期にわたり一定濃度排出される。これらのアンモニアは微生物担体充填回収ユニットでほとんど回収される。回収されたアンモニアは微生物によって硝化され、回収ユニットの循環水には各態窒素が混在する。この溶液を利用する藻類培養実験では、クロレラが比較的安定した成長を示したが、スピルリナはほとんど成長しなかった。
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