2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660241
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
唐澤 豊 信州大学, 農学部, 教授 (30060528)
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Keywords | アデニン / ニワトリ / 飼料摂取量 / 飲水量 |
Research Abstract |
ニワトリヒナへの単細胞蛋白質(SCP)の給与は,飼料摂取量の低下と腎臓重量の増加を引き起こし,これらの悪影響の原因はSCP中のRNAを構成するアデニンにあることが明らかにされている.SCP給与時の悪影響やキサンチンデヒドロゲナーゼの活性がニワトリの日齢で変化することから,アデニンによるニワトリへの影響は日齢によって異なる可能性がある.そこで,SCPの成分であるアデニンの給与がニワトリの中雛でも飼料摂取量の低下や腎重量の増加を引き起こすかどうかを調べた.約2ヶ月齢(体重約1kg)の産卵用中雛オスの半精製飼料あるいはこれに0.96%のアデニンを添加した飼料を15日間自由摂取させた.飼料摂取量と飲水量は,毎朝9時に飼料および水残量を測定することによって算出し,体重は実験開始後1, 4, 7, 10, 13, 16日に測定した. その結果,飼料へのアデニン添加は飼料摂取量を有意に低下させ,成長の遅滞を引き起こしたが,飼料要求率には影響しなかった.また飲水量は,実験5, 6, 7日目にアデニン添加飼料区が対照区の120%まで増加した.また飼料100gあたりの飲水量は,実験期間を通じて対照区より有意に高く,対照区の150%であった.したがって,飼料中のアデニンは,初生雛におけると同様に,飼料要求率に影響することなく飼料摂取量の低下と成長の遅滞を引き起こすと結論された.これらの結果から,ニワトリヒナでみられるアデニン給与による飼料摂取量の低下は,アデニンおよびその誘導体によって直接引き起こされる可能性とアデニンによる飲水量の過多を介して起こる可能性が考えられた.
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