2000 Fiscal Year Annual Research Report
放牧草地の生物多様性が家畜糞尿中窒素の再吸収・利用に及ぼす影響
Project/Area Number |
12660247
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 安寛 宮崎大学, 農学部, 教授 (20041030)
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Keywords | 生物多様性 / 家畜糞尿 / 窒素 / 安定同位体窒素 / 持続性 / 放牧草地 / 低投入 / 酪農 |
Research Abstract |
種の多様性は草地生態系の生産性と持続性と安定性に影響を及ぼすと言われている。種多様性の問題は群集生態学上の重要なテーマの一つであると同時に応用生態学的にも重要なテーマである。 管理状態の違いが植物の種類組成と窒素吸収効率に及ぼす影響の解明を目的として、放牧地の植生と生産力の調査を行った。その結果、草種構成の変化や種多様性の高さに放牧圧が大きく関係していることを見いだした。放牧圧の異なる管理が行われてきた酪農家の放牧草地の植生を調査した結果、放牧圧が高い管理がなされてきた草地では短草型草種の放牧圧が比較的低い管理の草地では長草型草種の優占が認められた。また適正な放牧管理を行っている草地では、長草型草種と短草型草種が安定的に共存し、高い種多様性を示すことを明らかにした。 さらに、低投入酪農方式を採用する酪農家が存在することが確認され、その方式の是非を検討した結果、それらの放牧草地は、生物多様性を高く保ちながら牛乳生産効率が高いことが明らかとなった。さらに、酪農家レベルでの窒素収支を算出し、放牧利用への依存度が高い酪農家では、窒素の循環利用の効率が高いことを見いだした。人工草地の安定性・持続性と種多様性および施肥管理との関係について野外実験を行った結果、放牧草地への長年の施肥によって草地の持続性が低下し種多様性が低下する場合があることを明らかにした。 さらに、長草型の半自然草地において、種多様性の違いが、家畜糞尿中の安定同位体窒素で標識した尿素態窒素の回収率に与える影響を検討した結果、種多様性の高い草地ほど窒素の回収率が高いことが明らかになりつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西脇亜也: "草地の種多様性,牛乳生産効率および環境負荷から見た低投入型酪農の評価"畜産の研究. 55巻・第2号. 249-253 (2001)
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[Publications] K.Saito,A.Nishiwaldi,K.Sugawam: "DNA Extraction from Arbuscular Mycorrhizal Roots of M.Sinais"Grassland Science. 46・2. 182-184 (2000)
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[Publications] 西脇亜也: "ニュージーランドにおけるオーガニック農業"日本草地学会九州支部会報. 30・2. 44-49 (2000)
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[Publications] 種生物学会(西脇は責任稿集): "森の分子生態学"文一総合出版. 320 (2001)