2002 Fiscal Year Annual Research Report
キメラ形成法を用いた筋肉を増大させたウシの作出に関する基礎的および応用的研究
Project/Area Number |
12660261
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐伯 和弘 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (10298937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (20298938)
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (70192739)
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Keywords | TGF8 / ウシ / 胚 / クローン / トランスフェクション / 体細胞 |
Research Abstract |
Transforming growth factor 8 (TGF8)遺伝子を破壊し筋肉を増大したウシを作製することを検討している。昨年度ウシ初代培養細胞への遺伝子導入方法を検討したが、本年度は、マーカー遺伝子を導入したウシ体細胞のクローン化を行った。また、DNA/RNAキメラオリゴヌクレオチドによる点変異誘起は、変異細胞を選択できないため、酵母における細胞質リボソームタンパク質L29をコードする遺伝子cyh2に点変異が起こるとシクロヘキシミド(CHX)耐性細胞になることに注目し、哺乳動物でも同様に保存されたL29に相同性のある哺乳類の細胞質リボソームタンパク質L27に、DNA/RNAキメラオリゴヌクレオチドを用いてウシおよびマウス線維芽細胞に変異を導入し、CHX耐性を獲得させることで変異細胞の選択の可能性を検討した。 ウシ線維芽細胞にpβ-act/luc+/IRES/EGFP/neorをFuGENE6遺伝子導入試薬を用いて導入した。G418下で10-20日間培養し導入細胞を選択した。EGFP蛍光により遺伝子発現が確認された細胞をさらにクローニングリングで選択した。細胞群を数代継代し、EGFPおよびルシフェラーゼ活性を調べた。その結果、4群のうち1つの細胞群は継代後も導入遺伝子をほとんどの細胞が発現していた。この細胞群を用いてクローン胚を作製したところ、6-70%の再構築胚由来胚盤胞で遺伝子発現が確認できた。その後の実験でも、薬剤によりstableに遺伝子導入が可能であることを確認している。次に、この薬剤(FuGENE6)を用いて、ウシおよびマウス線維芽細胞にL27遺伝子134/T→A/DNA/RNAキメラオリゴヌクレオチドを導入し、CHX添加培地で培養した。その結果、未処理およびベクター導入細胞は10日間の培養で全て死滅したが、キメラオリゴヌクレオチド導入細胞は、5日目まで多くの細胞が死滅したものの、10日目で細胞数が増加し生存細胞が得られた。このことから、当該キメラオリゴヌクレオチド導入によりウシおよびマウスの細胞が、CHX耐性を獲得したと思われた。現在、DNAシーケンシングによる点変異の確認と、変異細胞によるクローン胚作製を計画している。
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[Publications] K.Saeki, N.Sumitomo, Y.Nagata, Y.Hosoi, K.Matsumoto, A.Iritani.: "Atomic force microscopy of bovine acrosome-intact and reacted spermatozoa ; their fine structure and numerical analysis"Theriogenology. No.59, vol.1. 468 (2003)
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[Publications] Y.Hosoi, M Takahashi, S Higashide, K.Matsumoto, K.Saeki, A.Iritani, T Miyano: "Development of rabbit preantral follicles isolated from ovaries of sexually matured doe in the SCID mice"Theriogenology. No.59, vol.1. 408 (2003)
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[Publications] K.Matsumoto, M Zhang, Y Yamamoto, K.Saeki, Y.Hosoi, K Lu, A.Iritani: "Molecular cloning and characterization of a novel gene specifically expressed in gonad"Theriogenology. No.59, vol.1. 428 (2003)
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[Publications] Y.Hosoi, R.Torii, N.Fujinami, K.Matsumoto, K.Saeki, A.Iritani: "Fertilization by intracytoplasmic sperm injection and subsequent embryo development in vitro to blastocysts in Japanese monkey (Macaca fuscata)"Journal of Mammalian Ova Research. No.20, vol.1(In press). (2003)