2001 Fiscal Year Annual Research Report
進化的に保存された新規な蛋白質PSPの生理機能解明と構造解析
Project/Area Number |
12660273
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡 達三 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50116795)
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Keywords | PSP / ラット脳 / ラット腎臓 / NRK-52E / 遺伝子導入 / 細胞増殖 / 蛋白質合成 |
Research Abstract |
申請者らは、これまでラット肝臓細胞質画分から分子量14,000の新規な蛋白質(過塩素酸可溶性蛋白質:PSP)を発見し、その一次構造と機能を明らかにしてきた。本蛋白質は、136個のアミノ酸から構成されており、分子量14,149と計算された。またホモロジー検索により、一次構造が大腸菌からヒトに至まで高度に保存されていることが明らかにされた。本研究では、まずラット脳からPSPを精製し、その性質について検討した結果、ラット脳PSP(B-PSP1)の分子量とアミノ酸配列は、ラット肝臓PSP(L-PSP1)のそれと全く一致した。大脳や小脳をはじめ12ケ所の脳部位におけるPSPの発現を検討した結果、全ての部位のグリァ細胞において発現していた。また、B-PSP1の発現は生後1日目から60日目まで成長に伴って増大したが、その発現はダリア細胞のマーカー蛋白質であるGFAPより遅く、PSPが脳内においてダリア細胞の分化因子というより細胞内での機能に関与していることが、示唆された。一方、ラット腎臓尿細管由来の培養細胞であるNRK-52E細胞の増殖に及ぼすK-PSP1の発現を検討した結果、増殖時にはK-PSP1の発現が低く、定常期に高くなることが明らかにされた。またK-PSP1の発現は細胞内における蛋白質合成活性と逆の関係を示した。更に、NRK-52E細胞でK-PSP1を大量発現させた結果、細胞の増殖を抑制することが、明らかにされた。これらの結果はPSPの発現が細胞の増殖と密接に関連していることを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岡 達三: "抗腫瘍活性を有する新規な蛋白質PSP"バイオサイエンスとインダストリー. 58. 319-324 (2000)
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[Publications] Kanouchi, H., Oka, T.et al.: "Expression and cellular distribution of perchloric acid-soluble protein is dependent on the cell proliferating states of NRK-52E cells"Kanouchi, H., Oka, T. et al.. 57. 1103-1108 (2000)
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[Publications] Nordin, H., Oka, T.et al.: "Purification, characterization and development expression of chick(Gallus domesticus) liver PSP protein"Comp. Biochem. Biophys. Part B. 128. 135-143 (2001)
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[Publications] Kanouchi, H., Oka, T.et al.: "Recombinant expressionof perchioric acid-soluble protein reduces cell proliferation."Kanouchi, H., Oka, T. et al.. 58. 1340-1343 (2001)
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[Publications] SUzuki, K., Oka, T.et al.: "Purification, characterization and development expression of rat brain PSP protein"Biochim. Biophys. Acta. 1527. 47-53 (2001)
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[Publications] Sawasaki, T., Oka, T.et al.: "Liver perchioric acid-soluble ribonuclease"Methods Enzymol. 342. 44-54 (2001)