2000 Fiscal Year Annual Research Report
筋衛星細胞の活性化機構の解明: in vivo伸縮モデルによる活性化シグナルの同定
Project/Area Number |
12660299
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辰巳 隆一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (40250493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 昭仁 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50125027)
|
Keywords | 衛星細胞 / 筋肥大 / ヘパトサイトグロースファクター / 活性化 / 伸展刺激 / HGF |
Research Abstract |
本研究では、動物の成長および運動に伴い生じる物理刺激を外部シグナルとした衛星細胞の活性化機構を予想し、これをin vivo伸縮実験モデルを用いて検証することを計画した。このため初年度では先ず、生体内で骨格筋に物理刺激を負荷できるin vivo伸縮モデルを作出すると共に、物理刺激による衛星細胞の活性化を検出するブロモデオキシウリジン(BrdU)のin vivo標識法を開発することを試みた。成果の概要は以下の通りである。 in vivo伸縮モデルの作出に関しては、種々の試行の結果、ラットの後肢の体側側に存在する内転筋に物理的伸展を負荷するin vivo伸展モデルを独自に考案した。即ち、ラット(Sprague-Dawley種)の左前・後肢を懸垂し、自重により左後肢の内転筋を穏やかに数時間伸展することができた。この場合、ジエチルエーテルの持続的麻酔下で懸垂操作を行うなど、実験動物に苦痛を与えないよう充分配慮した。この伸展モデルは、Goldspinkら(1992)の方法と比べて極めて簡単かつ確実な実験系であり、また筋肉に外傷を与えることなく、右後肢の内転筋を対照区として伸展刺激の効果を同一固体で調べることができるなど、本研究を遂行する上で有効であった。 in vivo標識法に関しては、Mitchellら(1996)の方法を参考にして、伸展刺激によって生体内で衛星細胞が活性化するか否かを測定する方法を開発することができた。即ち、BrdUをラットの腹腔内に所定量注入した後、16時間後に内転筋からAllenらの方法(1996)に従い衛星細胞を単離し30時間培養した。生体内でBrdUを取り込んだ(活性化した)衛星細胞を抗BrdUモノクローナル抗体およびアビジン・ビオチン複合体法を用いて免疫染色し、陽性反応を示した細胞核数の総細胞核数に対する百分率(活性化率)を測定した。
|