2001 Fiscal Year Annual Research Report
胸腹部内臓を支配する交感神経遠心路を介する神経とホルモンの2重制御に関する研究
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12670008
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 健次 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (20107246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 和徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40161541)
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Keywords | 自律神経 / 交感神経 / 血圧 / 神経再建 |
Research Abstract |
心臓の交感神経作用として心拍数の増加と収縮力の増加が知られ、Mizeres (1958)は犬の右側のT1-T4は心拍数増加を起こし、左側の同レベルは収縮力の増加を起こすと述べているが、ビーグル犬5頭を用い、同様な胸髄部の右側の交通枝ならびに交感神経幹の電気刺激実験を行い、反応した神経の胸髄レベルの起始高についての調査を行った。その結果、血圧の上昇がみられたのは、下位からT8 (第8交感神経節)では0/5頭、T7で0/5頭、T6で1/5頭、T5で2/5頭、T4で5/5頭、T3RCで5/5頭、T2RCで5/5頭、T1RCで4/5頭、星状神経節で5/5頭、前幹・後幹の両部位とも3/3頭であった、これより、右側も左側同様、心臓の収縮力を増加させ血圧上昇を起こすことが確認された。さらにその起始は主として第1ー第4胸髄と考えられた。 さらに、犬5頭を用い、代用膀胱として有用性の高い結腸を利用した膀胱拡大術と、下腹神経(HN)を利用した骨盤神経(PN)・結腸神経(CN)縫合術を施行した後、移植結腸に至る骨盤神経の機能再建に関し、電気生理学的ならびに組織学的検討を試みた。縫合神経電気刺激による移植結腸の収縮反応は犬5頭全例において観察された。組織学的検討ではH.E.染色と鍍銀染色では、縫合神経の全部位における神経線維の存在と、PN-HN縫合部における神経線維の紡錘状膨化および無秩序な走向とから、神経線維の再生が考えられた。電子顕微鏡所見でも、PN部から末梢側に行くに従い、有髄神経線維および無髄神経線維ともに変形が強くなり、軸索直径も不均一かつ細く変化し、結合組織中に疎に散在していた、また、PN部では無髄神経線維を本来は束ねているシュワン細胞は単独で存在していて神経線維束形成が見られず、末梢側のHN部では一部に弱い神経線維束形成が観察され、Bray等のラット頸部交感神経幹の神経再生所見とも同様の結果が得られ、本研究において神経線維が再生したことが強く示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 川島友和, 佐藤健次, 佐々木宏: "特異な経路をとるニホンザル胸心臓神経の1例"解剖学雑誌. 76(4). 399-406 (2001)
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[Publications] Kobayashi T, Kihara K, Kagayama Y, Yamada T., Lius, Sato K.: "Spomtaneous recongtruction of the canine hypogastric merve overa long pariod after removing helf of it's lenght"Auton. Neurosci. Basic and clinical. 86. 151-162 (2001)
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[Publications] Kihara K, Sato K, Kageyama, Inoue Y.: "Reconstraction of the canine pelbic nerne and its application to bladder transplantation"Neurourol. Urodyram.. 20. 187-196 (2001)
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[Publications] Lius.Sato K, Kobayashi, Yamada T., Kageyama Y., Kihara K.: "Sympathetic efferent pathways projecting to the vagina in the dog"Auton. Neurosci. Basic and clinical. 88. 45-51 (2001)
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[Publications] 木原和徳, 佐藤健次: "射精機能に必要な神経解剖:陰茎癌と精巣癌の手術、Unologic Suageyシリーズ11"メディカルビュー社(東京). 74-82 (2001)