2000 Fiscal Year Annual Research Report
コネキシン45遺伝子変異動物による消化管壁ペースメーカー細胞の研究
Project/Area Number |
12670019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 桂一郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20172398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 清雅 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20264020)
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Keywords | connexin45 / gap junction / knockout mice / smooth muscle / intestinal motility / electron microscopy / LacZ / confocal laser scannning microscopy |
Research Abstract |
本年度は、我々の作成した、Cx45の代わりにマーカーとしてLacZ遺伝子を発現する遺伝子変異マウスのヘテロ接合体をもちいて、Cx45発現細胞の組織内分布を観察した。Cx45は、発生の初期から発現されており、これまでに知られているCxグループのなかでも、特に、初期発生において重要な役割を果たす細胞間チャネルタンパクである。Cx45-LacZ遺伝子置換動物のホモ接合体は、胎生10日前後において、心臓の形成不全により死亡する。ヘテロ接合体は、正常に出生、発育し、生殖能力ももつ。すでに、我々は、消化管壁において、免疫組織化学的にラット、イヌにおいては、Cx45が小腸DMPに発現していることを報告しているが、今回の実験では、DMPにおける線維芽細胞様細胞のみならず、広く平滑筋細胞にmRNAが発現していることが示された。また、その他の組織においても、心臓の刺激伝導系、各所の平滑筋細胞、さらに、脳においては、視床やハベヌラ核の神経細胞、また網膜のダリア細胞、神経節細胞の一部においてLacZ陽性所見が観察された。これまでの免疫組織化学的手法では検出することのできなかった消化管壁縦走筋層の平滑筋細胞や、大腸壁平滑筋細胞においても、Cx45mRNAが発現されていることは大変興味深い。今後、in situ hybridizationやmicrodissectionなどの技法を用いて、組織内の特定の細胞について、Cx45の発現様式を検討してゆく。 これら成果は、2000年9月京都で開催されたInternational Symposium on Morphologyで発表した。また、2001年4月に高知で開催される日本解剖学会学術講演会のシンポジウム「消化管の新展開」、および、5月に福岡で開催される日本電子顕微鏡学会シンポジウム「消化管間葉細胞のネットワーク」において発表する予定である。
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Research Products
(1 results)