2000 Fiscal Year Annual Research Report
精子特異タンパク質機能発現とカルニチン依存性精子成熟に関する分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
12670022
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
年森 清隆 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20094097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MANANDHAR Gaurishanker 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50325734)
谷井 一郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40207171)
吉永 一也 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (50136719)
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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Keywords | 精子 / 抗精子抗体 / 精巣 / 精巣上体 / 受精 / 免疫グロブリンスーパーファミリー / ベイシジン / カルニチン |
Research Abstract |
【1】精子特異的タンパク質(アクリン1/MN7、アクリン2/MC41、アクリン3/MC101、エクアトリン/MN9)の機能発現に関する解析 1)アクリン1/MN7:モルモットにおける精子形成過程での組織化および成熟過程での変化を解析した(Yoshinaga et al.,2000)。また、ヒト/アクリン1(hMN7)の精子における組織化および成熟精子での局在を明らかにした(Oh-Oka et al.,2001)。 2)アクリン2/MC41:透明帯との2次結合に関係することがわかった(論文準備中)。 3)アクリン3/MC101:受精過程において機能発現し、透明帯接着と先体反応そのものには関係しないが、先体反応後から透明帯通過過程に関与することを証明した(Saxena et al.2000)。 4)エクアトリン/MN9:体外受精(IVF)および卵母細胞内精子注入法(ICSI)において、精子-卵子融合に関与することを確認し、その挙動を解析した(論文準備中)。 5)頭部先体後部領域タンパク質MN13と卵子活性化の関係:抗体を調整し、体外受精条件あるいはICSI法を用いて、実験中である。 【2】鞭毛タンパク質MC31/CE9とベイシジンの機能発現と分子修飾 MC31/CE9タンパク質の発現をin situハイブリダイゼーションで確認し(Wakayama et al.,2000)、免疫グロブリンスーパーファミリータンパク質と授精との関係を総説した(年森他、2000)。また、体外受精実験において、発現部位変化と精子-卵子相互作用を特定し、分子サイズの変化を確認した(論文準備中)。 【3】カルニチンと精子成熟/不妊症(閉塞性無精子症)の関係 カルニチン輸送担体(CT)の膜外領域/69-81アミノ酸に対する特異抗体を作成し、CTが精子形成過程中に産生されて細胞質小滴に貯蔵されたまま、精巣上体精子に運ばれることがわかった(論文準備中)。しかし、成熟過程でどの膜に局在するようになるのか不明であるため、別の膜外領域アミノ酸に対する抗体を作製中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 年森清隆,若山友彦,谷井一郎,Dinesh K.Saxena,大岡唯祐,吉永一也: "Spermatogenesisにおける免疫グロプリンスーパーファミリーMC31/CE9の発現と機能"日本受精着床学会雑誌. 17. 39-42 (2000)
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[Publications] Wakayama,T.,Nagata,K.,Ohashi,K., 他5名: "The expression and cellular localization of the sperm flagellar protein MC31/CE9 in the rat testis : possible posttranscriptional regulation during rat spermiogenesis."Arch.Histol.Cytol.. 63. 33-41 (2000)
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[Publications] Yoshinaga,K.,Tanii,I.,Oh-oka,T.and Toshimori,K.: "Transport and rearrangement of the intra-acrosomal protein acrin1(MN7)during spermiogenesis in the guinea pig testis."Anat.Rec.. 259. 131-140 (2000)
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[Publications] Toshimori,K.: "Sperm plasma membrane modifictions associated with fertilization in mammals."J.Reprod.Dev.. 46. 65-78 (2000)
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[Publications] Saxena,D.K.,Tanii,I.,Oh-oka,T.,Yoshinaga,K.and Toshimori,K.: "Behaviour and role of an intra-acrosomal antigenic molecule,acrin 3,during mouse fertilization in vitro."Zygotes. 8. 39-42 (2000)
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[Publications] Oh-oka,T.,Taii,I.,Wakayama,T.,Yoshinaga,K.,Watanabe K.& Toshimori,K.: "Partial characterization of an intra-acrosomal protein,human acrin1(MN7)."J.Androl.. 22. 17-24 (2001)
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[Publications] 年森清隆: "哺乳類の生殖生化学-マウスからヒトまで.中野實,荒木慶彦 編."IPC社. 26(201-226) (1999)