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2000 Fiscal Year Annual Research Report

Whole-mount染色による人体の自立神経系とリンパ管系の局所解剖学的研究

Research Project

Project/Area Number 12670024
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

村上 弦  札幌医科大学, 医学部, 教授 (30157747)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 秦 史壯  札幌医科大学, 医学部, 助手 (70291557)
田口 圭介  札幌医科大学, 医学部, 助手 (70281235)
佐藤 利夫  札幌医科大学, 医学部, 助手 (80263002)
Keywords自律神経系 / リンパ管系 / whole-mount染色 / 免疫組織化学 / 腹腔神経叢 / 腸リンパ本幹 / 局所解剖学 / 胎児
Research Abstract

自律神経系とリンパ管系の3次元的な構築が外科的に問題になる部位として、腹腔神経叢と腸リンパ本幹の位置関係を最初の課題として選んだ。Whole-mount組織化学によるリンパ管染色の手技は、ヒト腸間膜を用いて修練途上である。
染色による観察に先立ち、20体の通常ホルマリン固定人体標本を用いて腸リンパ本幹の剖出を行った。膵頭後面および肝十二指腸間膜後面に始まる腸リンパ本幹の多くは、腹腔神経叢の浅側から上腸間膜動脈右側を経て、左腎静脈の高さで傍大動脈リンパ節(リンパ節取扱い規約におけるNo.16bl-interおよびNo.16bl-latero)に注いだ。一方で膵体尾部・上腸間膜動脈域および胃に始まる腸リンパ本幹は、同神経叢浅側から上腸間膜動脈左側を経由した。しかし右側では、神経叢深側で神経叢と横隔膜脚の間のわずかな間隙を通り、No.16a2-interないし-lateroに至る経路も時に観察された。そもそもこれらのリンパ節自体が狭い間隙に存在している。
自律神経系とリンパ管系の3次元構築を発生学的に検討するために、新鮮胎児3体(胎齢約十週)の胸腹部内臓の準連続切片を作成した。今のところH.E.染色による観察だけだが、腹腔動脈域の間膜内には、未熟なリンパ節構造の辺縁洞に連絡することからリンパ管と同定される管腔構造が豊富に観察された。多くのリンパ節は腹腔神経叢の周囲に位置するものの、神経叢の中に巻き込まれた小さなリンパ節も観察された。また、神経叢と横隔膜脚の間のわずかな間隙には、すでにNo.16a2と見られるリンパ節が成体よりむしろ豊富に存在した。
以上の結果は、膵頭十二指腸を外科的に左腹側へ授動する手技(コッヘル授動術)の視野において、腹腔神経叢より浅いこの領域の所属リンパ系の大部分を郭清できる可能性を示唆している。しかし、主流ではないものの腹腔神経叢と横隔膜脚の間を通るリンパ経路は存在しており、その経路の中継点であるNo.16a2リンパ節の術中生検には大きな意義があると考えられた。

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Published: 2002-04-02   Modified: 2016-04-21  

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