2001 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ初期胚単離細胞を用いた神経誘導系における転写活性の可視化による解析
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12670048
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Research Institution | MEIJI PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 資子 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (80277730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 國太郎 東京大学, 医学系研究科, 名誉教授 (10010034)
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Keywords | ホヤ胚細胞神経誘導系 / 4細胞胚A3割球 / 表皮分化と神経分化 / TuIRKA / プロモーター / GFP / 転写活性 / 蛍光発現 |
Research Abstract |
本研究計画では、ホヤ単離8細胞胚a4-2割球神経誘導系に加え、これよりさらに大型かつ多分化能を有する予定神経領域を含む単離4細胞胚頭側割球A3に、表皮細胞初期マーカーとしてGFP遺伝子と融合して転写活性を可視化したIRK遺伝子プロモーターを外来性に導入し、神経分化決定過程における表皮マーカーの転写抑制反応の時間経過を定量的に解析することにより、神経誘導が表皮分化の抑制であるのか、神経分化の脱抑制であるかを明らかにする。 本年度の研究実績 (1)4細胞胚から単離した頭側A3割球における神経誘導の解析 12年度研究計画実施により、これまで開発した単離4細胞胚頭側割球A3の神経化の条件を解析し、新しい神経誘導系として確立した。この超大型のA3割球は二個の8細胞胚a4-2割球と発生7時間までに分裂を抑制して接着するか、成長因子bFGFにより処理すると尾側神経細胞型(運動神経細胞型)に分化し、7時間以降にa4-2割球と接着すると表皮細胞型に分化することがわかった。一方、同じA3割球を単離して培養すると不完全な神経細胞様分化となるが、8細胞胚の誘導割球A4-1と接着培養するか蛋白分解酵素サブチリシンで処理すると8細胞a4-2割球と同様に頭側神経細胞型(中枢神経細胞型)に分化した。 (2)IRK遺伝子のゲノム領域の解析 ゲノムライブラリーよりクローニングしたホヤ初期表皮細胞マーカーIRK遺伝子(TuIRKA)のプロモーター、イントロン領域を含め関連するすべての核酸配列を決定した。そのエクソン・イントロン構造を他の動物種のそれと比較したところ、進化的に後代に現れた哺乳類IRK遺伝子のゲノム領域のほうがイントロンが少なく、ホヤ、線虫ではかえって十数個あることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] TANAKA-KUNISHIMA.M., Takahashi K.: "Cleavage-arrested cell triplets from ascidian embryo differentiate into three cell types depending on cell combination and contact timing"Journal of Physiology(London). 540(1). 153-176 (2002)
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[Publications] TANAKA-KUNISHIMA.M., Ishida, Y, Takahashi, K.: "Neural-inductive or epidermalized cell-contacted pairs from ascidian 8-cell embryos for assaying the inward recyfier K+ channel promoter activity"Japanese Journal of Physiology.. 51,Suppl. S175 (2001)