2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオテンシンIIは脱水による発熱亢進に関与するか?
Project/Area Number |
12670060
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三好 美智夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (20093627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 達生 鳥取大学, 医学部, 教授 (60182929)
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Keywords | 発熱 / 脱水 / 細菌性内毒素 / 内因性発熱物質 / アンギオテンシンII / ANG変換酵素阻害薬 / IL-1β / mRNA |
Research Abstract |
脱水条件下では、細菌性内毒素(LPS)によるラットの発熱が亢進する。一方、内因性発熱物質(EP)を投与しても脱水ラットの発熱になんら変動が観察されない。従って、脱水時の発熱亢進は、LPSが誘導するEPの産生が増加した結果起こるものと推察される。しかし、脱水によるEP産生亢進のメカニズムは、いまだ明らかではない。本年度は、脱水によるEP産生亢進にアンギオテンシンII(ANG II)が関与している可能性を検討した。具体的には、脱水ラットの静脈内にLPSの投与を行った。脱水による発熱亢進をテレメトリー法で観察する一方、肝臓、脾臓のEP(発熱性サイトカイン)の発現を観察した。さらに、脱水時の発熱とサイトカイン産生に及ぼすANG II変換酵素阻害薬の効果を調べた。その結果、脱水時にはLPSによる発熱が亢進し、肝臓、脾臓のinterleukin-1β(IL-1β)の顕著な増加が起こることが分かった。さらに、この発熱亢進とIL-1βの顕著な増加は、ANG II変換酵素阻害薬により抑制されることを私たちは発見した。これらの知見から、脱水時に分泌が増加するANG IIが、肝臓、脾臓におけるIL-1β産生を刺激して、発熱反応が亢進するものと考えられる。今後は脱水によるサイトカインmRNA発現の変動に及ぼすANG変換酵素阻害薬の効果を調べる予定である。また、脱水時の脳内サイトカインの発現および脳内サイトカインmRNA発現の変動に及ぼすANG変換酵素阻害薬の効果を検討する。
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