2000 Fiscal Year Annual Research Report
内在性液性因子としての腸内細菌由来エンドトキシンと環境ストレス
Project/Area Number |
12670061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 厚司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30243934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 金治 埼玉大学, 理学部, 教授 (50091963)
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 解剖学第一講座, 助教授 (10199359)
須藤 信行 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60304812)
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Keywords | エンドトキシン / リポポリサッカライド / LPSトランスロケーション / 下垂体前葉細胞 / 濾胞上皮細胞 / インターロイキン6 |
Research Abstract |
本年度は、1)腸管由来LPSの体内動態の解析、及び、2)腸管由来LPSが下垂体前葉機能細胞に及ぼす作用の解析、を目指した。 その結果、ラットにおいて以下の様なLPS濃度分布が確認された。 (1)糞便→約100μg/g、結腸→数10μg/g、盲腸→約100-200μg/g、回腸下部→数μg/g、十二指腸→約0.1μg/g、胃→約0.01μg/g、標準飼料→数μg/g。 (2)回盲部付近の腸管膜組織→約100-200pg/ml、腸管膜リンパ節→約300-400pg/ml、肝臓→約250pg/ml、脾臓→約200pg/ml、腎臓→約50pg/ml、大脳皮質→約50pg/ml。 (3)肝門脈血液→3-5pg/ml、一般静脈血→2-3pg/ml。以上から、腸管内と生体内でLPS濃度分布に最大数千万倍の較差が存在し、生体が外来毒素を排除したり解毒したりするシステムが大変優れていることがわかった。また、一般にグラム陰性菌が繁殖し得ない胃内から回腸下端に至る間にLPSが漸増している事、一般循環に侵入したLPSは速やかに胆汁中から排泄されることから、LPSの腸・肝循環システムの存在が示唆された。 一方、生体内に侵入したLPSは上記のように、肝臓や脾臓以外にも大脳皮質や腎臓においても検出された。これは、腸管由来のLPSが生体内にあまねく到達しうることを示している。本研究では、特に、下垂体前葉細胞に対するLPSの作用を検討した。その結果、in vivo実験で、LPS静脈投与(100μg/kg,BW)によって、非内分泌系の細胞である濾胞上皮細胞(FS細胞)でIL-6の発現が顕著に増強し、このFS細胞の腫瘍細胞系においても、LPS濃度に依存してIL-6及びIL-6mRNAの発現が増強し、どちらもPolymyxineBの同時投与によってLPSに対する応答が抑制できた。in vitro実験のLPSの有効濃度は1ng/mlで、必ずしも生理的濃度とは言い難いが、下垂体前葉に循環中のLPSに応答する細胞が存在し、内分泌系を修飾している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] L/Chen,A.Takaki,K.Inoue, et al.: "Cytological characterization of a pituitary folliculo stellate-like cell line, Tpit/F1, with special reference to adenosine triphosphate-mediated neural NOS expression"Endocrinology. 141. 3603-3610 (2000)
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[Publications] H.Jimbo,K.Dohi,A.Takaki et al.: "Fatal severe vasospasm due to rewarming following hypothermia/case report"Neurol Med Chir. 40. 463-466 (2000)
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[Publications] N.Sudo,A.Takaki,C.Kubo et al.: "Dietary nucleic acid promote a shift in Th1/Th2 balance tward Th-1 dominant immunity"Clinical Exp.Allergy. 30. 979-987 (2000)
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[Publications] N.Oyama,N.Sudo, et al.: "Antibiotic use during infancy promotes a shift in the Th1/Th2 balance toward Th2-dominant immunity in mice"J Allergy Clin Immunol. 107. 153-159 (2001)
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[Publications] 高木厚司,八木誠司,堀哲郎: "腸管免疫機構が環境ストレス応答に果たす役割"J.Adatation Med. 4. 33-38 (2000)
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[Publications] T.Hori,Y.Kaizuka,A.Takaki, et al: "Thermotherapy for Neoplasma, Inflammation, and Pain."Springer-Verlag. 248 (2001)