2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスチジン脱炭酸酵素遺伝子における転写調節機構の解明
Project/Area Number |
12670078
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大津 浩 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60250742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90302091)
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Keywords | ヒスタミン / 転写 / ヒスチジン脱炭酸酵素 / メチル化 / 肥満細胞 / 転写因子 / プロモーター / 脱メチル化 |
Research Abstract |
私たちは,ヒスタミンの合成酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)遺伝子における転写調節機構について研究している.この遺伝子はヒスタミンの合成能のある細胞,すなわち肥満細胞,好塩基球,神経細胞,胃壁細胞などで発現しているが,その細胞特異的な発現は遺伝子上流のメチル化によって強くコントロールを受けている.私たちはマウス細胞株であるP815細胞におけるプロモーター領域のメチル化につき,研究を深めた. 1)マウスのHDCゲノム遺伝子をクローン化し,構造を決定した. 2)プロモーター領域を脱メチル化剤である5-azaCで脱メチル化させると,HDC遺伝子が新たに発現することが判明した. 3)プロモーター領域のみをメチル化したレポーター遺伝子を組み込んだ遺伝子導入株はメチル化のないレポーター遺伝子の導入体より,レポーター活性が低いことがわかった. 4)さらに,この細胞は5-azaCによってレポーター活性が上昇した. 以上のことより,マウスのHDC遺伝子もプロモーター領域のメチル化によって遺伝子の発現がコントロールされていることが判明した. 今後は,さらに,誘導的な発現において,どのような転写因子が働き,メチル化がどのように関わっているのか,さらに分子論的に明らかにしていきたい.このような,調節機構に於いて,あらたな遺伝子の探索も今後公開されるマウスのcDNA情報(FANTOM)を使っておこないたい.
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Research Products
(1 results)