2000 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージによるアポトーシス細胞の認識および貪食の分子機構
Project/Area Number |
12670115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 重一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70114428)
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Keywords | アポトーシス / マクロファージ / ファゴサイトーシス |
Research Abstract |
マクロファージによるアポトーシス細胞の認識、貪食機構を解明する目的で、まず最初に貪食能を定量的に評価するアッセイ方法の開発を試みた。アポトーシスを起こした細胞では染色体DNAの断片化が起こるが、このDNAの切断はcaspase-activated DNase(CAD)と呼ばれるDNA分解酵素により引き起こされる。CADは通常その抑制分子であるICADと複合体を形成しているため不活性化されているが、細胞がアポトーシスを起こすと、活性化されたカスパーゼによりICADが切断されCADが活性化される。我々はカスパーゼに抵抗性のICAD変異体を発現したトランスジェニックマウスを作成したが、このマウスから調整した胸腺細胞はアポトーシス時にcell-autonomousな染色体DNAの断片化を起こさないが、マクロファージに貪食されるとマクロファージのライソゾームの酵素によりDNAの断片化が起こることを突き止めた。そこで我々はマクロファージのアポトーシス細胞の貪食能の定量的アッセイ法にこの現象を利用した。すなわちICAD変異体トランスジェニックマウスより調整した胸腺細胞にアポトーシスを誘導しこれをマクロファージに貪食させると、貪食された胸腺細胞のみがDNAの断片化を起こし、TUNEL法により検出可能となる。マクロファージのマーカーとして抗Mac-1抗体を用い、TUNEL法との二重染色を施したマクロファージをFACSで解析することにより、アポトーシス細胞を貪食したマクロファージの割合を定量化することに成功した。我々は現在、マクロファージの表面抗原に対するモノクローナル抗体を作成し、上記のアッセイに影響を与える抗体を選び出すスクリーニングを行っている。
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Research Products
(1 results)