2001 Fiscal Year Annual Research Report
Rho低分子量G蛋白質を介する新たな細胞内情報伝達系の機能と作用機構の解明
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12670120
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
富永 知子 国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (00280587)
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Keywords | Rho / mDia / Src / DIP / 細胞運動 / 成長円錐 / 軸索伸長 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質Rhoファミリー(Rho, Cdc42, Rac)は、細胞骨格系の再編成を介して細胞運動、細胞接着、細胞質分裂等の細胞機能を制御している。ここ数年の研究から、Rhoファミリーの活性制御蛋白質と標的蛋白質が数多く同定され、Rhoファミリー個々による細胞骨格系の再編成の制御機構が明らかになりつつある。しかし、Rhoファミリー蛋白質同士がいかに協調して細胞骨格系の再編成を行い細胞運動を時・空間的に制御しているかは不明であり、この点を解明する事を本研究の目的とした。昨年度、Rhoの標的蛋白質の一つであるmouse Diaphanous (mDia)の作用(ストレスファイバー形成(SFF)、転写調節因子SRFの活性化、細胞質分裂)が、Src依存的であることを明らかにした。また、本年度mDia結合蛋白質DIP(mDia Interacting Protein)を同定し、DIPがSFFに必要であること、mDiaとともにSrcと細胞接着斑の形成制御に関与すること、さらにGrb2と結合することを見いだした。細胞がある方向に運動するためには細胞接着斑のターンオーバーが必要で、これらにはfocal adhesion kinaseがSrcと協調する必要があり、また、細胞内輸送小胞の形成を調節する低分子量G蛋白質ARFファミリーが、細胞接着斑および細胞骨格再構築の過程でRhoファミリーと相互作用することが明らかになりつつあり、代表者の見いだしたRho-mDia-Src, DIP系およびそれらの系のARFとの関連を中心に細胞運動のメカニズムをさらに明らかにする為、生化学的、細胞生物学的および細胞の浸潤assay等を用いて検討中である。また、mDia-DIP-Grb2の経路を生化学的および、Transformation Assay等で検討中で、RasからP13 kinase、ひいてはRac、Cdc42への経路が明らかになれば、Rhoファミリー間の協調作用を解明してより時・空間的な細胞運動のメカニズムの制御機構を明らかにする可能性がある。同様の情報伝達経路を、神経細胞のprimary cultureを用いて神経の成長円錐の形態維持、軸索伸長に関しても平行して検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tominaga, T., Sahai, E., Chardin, P., McCormick, F., Courtneidge, SA., Alberts, AS: "Diaphanous -related formines bridge Rho GTPases and Src tyrosine kinase signaling"Mol. Cell. 5. 13-25 (2000)
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[Publications] Satoh, S., Tominaga, T.: "mDia interacting protein acts downstream of Rho-mDia and modifies Src activation and stress fiber formation"J.Biol.Chem. 276. 39290-39294 (2001)
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[Publications] Numazaki M., Tominaga T., Toyooka H., Tominaga M.: "Direct phosphorylation of capsaicin receptor VR1 by PKCε and identification of two target serine residues"J. Biol. Chem.. 277. 13375-13378 (2002)