2001 Fiscal Year Annual Research Report
クリニカル モレキュラ スキャナによる組織オルガネラ蛋白質の系統的解析法
Project/Area Number |
12670122
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村山 季美枝 順天堂大学, 医学部, 助教授 (20053118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 正隆 日立工機株式会社, 精機部, 主任技師
藤村 務 順天堂大学, 医学部, 助手 (70245778)
進藤 典子 順天堂大学, 医学部, 助手 (60095809)
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Keywords | プロテオミクス / クリニカル モレキュラ スキャナ / オルガネラ分画 / 1D / 2D SDS-PAGE / ウエスタンブロット / ペプチドマッピング / ラット / マウス肝臓蛋白質 / 老化マウス肝蛋白質の変化 |
Research Abstract |
平成12年度,Nycodenzを凍結融解することで密度勾配を作成し、ラット肝臓オルガネラの分画法を確立した。二次元電気泳動における蛋白質分析は蛋白質分布が俯瞰できる利点があるが、蛋白質間の結合が強い場合、一次元等電点電気泳動のストリップ内に結合した状態でとどまり、二次元ゲル内への展開に問題が残る。その現象が一個体内での再現性と個体差間の差異の判断を困難にしている場合がある。 そこで、本年度は、老化によるマウス肝臓蛋白質変化を観察すべく、正常マウスと老化マウス間の蛋白質の変化を解析し、システム確立の検討を進めた。成熟マウスBalbC♂、5週齢(20g-肝臓1.37g)に対し、老化マウス同、月齢10ヶ月(33g-肝臓1.89g)をモデルとし、オルガネラ分画後の主分画物を、再現性の高い一次元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で比較した。その結果、ミトコンドリアでは、全83バンドのうち、老化で50%以上減少する蛋白質は12バンド、3倍以上増加するバンドは2バンドであった。老化で検出されない3バンドのうちIntOD値が1以上の存在量を示すものは1バンドであり、逆に、老化のみで観察されたバンドは6、そのうちIntOD値が1以上を示すものは2バンドであった。他のオルガネラに対しても同様に解析し、オルガネラ全般の老化における蛋白質変化を観察した。上記、変化の大きいゲルバンドを切り取り、目下ペプチドマッピングで蛋白質同定を実施している。最終的には、二次元電気泳動法を併用し、蛋白質の一次元/二次元電気泳動挙動から蛋白質間の結合解析を含む,蛋白質の分布状況を俯瞰し解析する。 蛋白質同定におけるゲル内蛋白質の還元アルキル化は、すでに多くの報告はあるが,いずれも問題を抱えており、我々は電気泳動を用いた利点として、積極的にアクリルアミドを用いて電気泳動中にアルキル化する、簡便で高効率の方法を検討し報告した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Murayama, K., Fujimura, T., Morita, M., Shindo, N.: "One-step subcellular fractionation of rat liver tissue using a Nycodenz density gradient prepared by freezing-thawing and two-dimentional sodium dodecyl sulfate electrophoresis profiles of the main fraction of organelles"Electrophoresis. 22. 2872-2880 (2001)