2000 Fiscal Year Annual Research Report
悪性リンパ腫発症機構に関与する遺伝子群の分子病理学の解析
Project/Area Number |
12670161
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡 剛史 岡山大学, 医学部, 助手 (50160651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 正 岡山大学, 医学部, 講師 (70183704)
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Keywords | cDNAマイクロアレイ / 病理組織マイクロアレイ / NK / Tリンパ腫 / SHP1 / メチル化 / ヒトゲノム |
Research Abstract |
cDNA microarray法及び病理組織micro-array法を用いてGenomeの発現様式を総合的、かつシステマチックに解析し腫瘍発生機構の検討した。 Human cDNA Expression arrayによる解析より、human NK/T lymphoma cell line(NK-YS)においてnormal human PBMCsまたは正常NK細胞と比較し18種の遺伝子のmRNA発現の増強が、また20種の遺伝子のmRNA発現の抑制が検出された。それらの中で血球特異的protein-tyrosine-phosphatase SHP1(SH-PTP1)のmRNAの強い発現抑制がcDNA expression arrayで検出された。この強い発現抑制はRT-PCRでも確認された。tissue microarrayによる解析よりSHP1タンパク質の強い発現抑制は、100%のNK/T lymphomaの検体で認められるほか、その他様々な悪性リンパ腫においても高い頻度で発現の抑制が認められ、悪性リンパ腫の腫瘍化との強い関連が疑われた。様々な種類の血球系培養細胞を用いた解析より、多くの悪性リンパ腫・白血病の培養細胞株においてSHP1蛋白の発現低下あるいは欠損が認められ、特に高悪性度の悪性リンパ腫・白血病において強くその傾向が認められた。 NK/T lymphoma cell lineであるNK-YS細胞はPMAによる刺激に対してSHPlの発現誘導がかからなかった。またSHP1のgenomic Southern hybridizationおよびFISHによる解析からは異常は検出されなかった。このことよりNK-YS細胞のSHP1遺伝子のpromoter, enhancer領域に微少な変異があるかmethylationによる修飾がかかっている可能性が考えられた。
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