2000 Fiscal Year Annual Research Report
各種病態における非T細胞リンパ球(腫)の皮膚ホーミングレセプター発現の検討
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12670162
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉野 正 岡山大学, 医学部, 講師 (70183704)
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Keywords | MALTリンパ腫 / 除菌療法 / 接着因子 / CLA / ホーミングレセプター / addressin / 高悪性度化 |
Research Abstract |
1 除菌療法の症例間の比較:現在までに蓄積した除菌療法がなされた症例のうち充分な臨床情報と検索材料が得られている症例を3例選択した。これらについて経時的に採取された生検材料において、リンパ腫細胞を形態的・免疫組織学的に同定し併せてPCR法によるclonalityを検索した。その結果、Wotherspoon's scoreのgrade4,5では約80%の検体でclonal bandを検出したのに対して、grade 2以下では陽性検体を認めなかった。灰色領域であるgrade 3では一部(約17%)のみにclonalityを検出した。2)接着因子の検討ではCLAは低悪性度MALTリンパ腫ではいずれも陰性であった。これは正常記憶B細胞の発現性とは異なった結果である。少なくとも胃MALTリンパ腫のリンパ組織間移動にはCLAは関与する所見は得られなかった。臓器特異性のあるhoming receptorであるα4β7インテグリンの発現を免疫組織学的に検討したところMALTリンパ腫細胞で高率に陽性であった。蛍光免疫染色による二重染色により、これらのB細胞での発現を確認した。血管側のリガンドMAdCAM-1は粘膜固有層の血管の一部に発現していた。3)高悪性度化に関わる因子の検討:高悪性度化を示した症例については手術材料による検索を施行した。その結果、高悪性度症例ではCD44 variant formの発現が低悪性度症例に比べて高率であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshino,T.Miyake K. et al.: "Increased Incidence of Follicular Lymphoma in the Duodenum."American Journal of Surgical Pathology. 24. 688-693 (2000)
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[Publications] Yoshino,T.Ichimura K et al.: "Multiple organ mucosa-associated lymphoid tissue lymphomas often involve the intestine."Cancer. 91. 246-253 (2001)
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[Publications] 吉野正: "胃MALTリンパ腫の病理診断"Helicobacter Research. 4. 287-293 (2000)
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[Publications] 吉野正,万波智彦,高瀬純枝 ら: "胃MALTリンパ腫の良悪性境界病変と寛解判定"消化器科. 30. 283-290 (2000)
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[Publications] 吉野正,赤木忠厚,横田憲治 ら: "H.pyloriの胃リンパ腫への関与"癌の臨床. 46. 839-845 (2000)
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[Publications] 吉野正,赤木忠厚: "低悪性度B細胞性リンパ腫の病理"血液フロンティア. 11. 137-147 (2001)