2000 Fiscal Year Annual Research Report
肺異型腺腫様過形成から細気管支肺胞癌への進展における分子生物学的解析
Project/Area Number |
12670190
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
横瀬 智之 国立がんセンター, 研究所・臨床腫瘍病理部, 室長 (10221665)
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Keywords | 肺 / 異型腺腫様過形成 / 腺癌 / ヘテロ接合性の消失 / PCR / 細気管支肺胞癌 / マイクロサテライトマーカー / マイクロダイセクション |
Research Abstract |
平成12年度に行った検討は以下の通りである。 1.病理学的検討:当研究所に蓄積された1390例の肺切除例のデータベースから選び出された粘膜内に限局した腺系腫瘍は、異型腺腫様過形成529病変、細気管支肺胞癌89病変であった。これらの組織像を再検討した結果、異型腺腫様過形成、異型腺腫様過形成-細気管支肺胞癌移行型、細気管支肺胞癌がそれぞれ、525病変(85%)、36(5.9%)、57(9.1%)認められた。この結果から、異型腺腫様過形成は肺腺癌の前癌病変であると考えられる。 2.LOHの解析:本研究の標的である異型腺腫様過形成-細気管支肺胞癌の検討を行う前に、早期非浸潤腺癌におけるPCR-based LOHの解析を行い、どの様なマイクロサテライトマーカーが有用かをまず明らかにすることを試みた。検討に当たって、材料は当部に保管されているメタノール固定パラフィン包埋標本を用いた。LOHの有無を検索する遺伝子座の存在する染色体は3p(FHIT),5q(APC),9p(p16),13q(Rb),17p(p53),18q(Smad4),22q(Band M)であり、それぞれの遺伝子座特異的なアイクロサテライトマーカーを複数用いて行った。また、病変細胞のDNAを検討するためにlaser capture microdissection法を用いた。至適条件の条件設定をまず行い、早期非浸潤腺癌の解析を行った。その結果、40症例を対象に検索したところ5q,9p,13qにLOHが認められた。 3.今後の研究の展開:早期非浸潤腺癌で得られた結果を用い、3カ所の遺伝子座を対象に異型腺腫様過形成-細気管支肺胞癌移行型の各部位ごとにおけるLOHの有無を検索する。なお、9q(TSC-1),16p(TSC-2)が早期肺腺癌においてLOHの頻度が高いことが最近知られてきており、これらのマイクロサテライトマーカーの検討も今後行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomoyuki Yokose, et al: "High prevalence of atypical adenomatous hyperplasia of the lung in autopsy specimens from elderly patients with malignant neoplasms"Lung Cancer. 29. 125-130 (2000)
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[Publications] Tomoyuki Yokose, et al: "Favorable and unfavorable morphological prognostic factors in peripheral adenocarcinoma of the lung 3 cm or less in diameter"Lung Cancer. 29. 179-188 (2000)