2000 Fiscal Year Annual Research Report
大腸発がんにおけるプロスタノイドレセプターの役割とその作用機構
Project/Area Number |
12670226
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
川森 俊人 国立がんセンター, 研究所・がん予防研究部, 室長 (80311413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 敬二 国立がんセンター, 研究所・がん予防研究部, 部長 (60158582)
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Keywords | 大腸がん / プロスタノイドレセプター / ノックアウトマウス / 大腸前がん病変 / PGE2 / EP1 / EP4 |
Research Abstract |
我が国において大腸がんは、食生活の欧米化に伴い増加傾向にあり、その発がん機構の解明及び発がん抑制研究は極めて重要である。大腸発がんと脂肪摂取には強い正の相関関係があり、脂肪のなかでもアラキドン酸代謝は、大腸発がんに密接に関与している。アラキドン酸の代謝産物であるプロスタノイドは、組織のレセプターを介してその生理的な機能を発現している。この研究では、大腸発がんにどのプロスタノイドレセプターが関与しているかを検索する目的で、大腸発がん物質であるアゾオキシメタン(AOM)をプロスタノイドレセプターのノックアウト(KO)マウスに投与して、誘発される大腸の前癌病変であるaberrant crypt foci(ACF)の数を野生型マウスと比較した。現在、アラキドン酸からシクロオキシゲナーゼを介して5種類のプロスタノイド(PGE2、PGD2、PGF2、PGI2、TxB2)が生成されることが知られており、そのレセプターは、PGE2のみ4種類(EP1〜4)あり、それ以外は1種類ずつ存在し、計8種類知られている。今回は、その内EP1、EP3、IP、TPの4種類のノックアウトマウスとその野生型マウスにAOMを投与し、得られたACF数を比較した。 ノックアウトマウスで、野正型に比較してACF数が減少していたのは、PGE2のレセプターであるEP1であった。EP1のノックアウトマウスは野正型マウスに比し36%ACFが減少していた。この実験結果から、大腸発がんにプロスタノイドの内PGE2が関与しており、シグナル伝達系としては、レセプターEP1が関与していることが明かとなった。現在、残りの4種類のノックアウトマウスのAOM誘発大腸ACF数を検討中である。また、逆にPGE2が、in vivo動物大腸発がんを促進するかを検討中である。
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