2000 Fiscal Year Annual Research Report
マラリアの重症化とT細胞アポトーシスの関連性に関する研究
Project/Area Number |
12670239
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
川合 覚 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70275733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 恵治 国立感染症研究所, 筑波医学実験用霊長類センター(研究職), 室長 (30109920)
松本 淳 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70296169)
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Keywords | 重症マラリア / マラリア疾患モデル / ニホンザル / T細胞 / アポトーシス / Fas抗原 / 可溶性Fasリガンド |
Research Abstract |
1)重症化にともなうFas抗原陽性細胞の出現推移:P.coatneyi(以下Pcと略)を感染させたニホンザルでは感染経過に伴って末梢リンパ球数が減少し、CD20陽性細胞(B細胞)およびCD16陽性細胞(N細胞)に著しい変化が認められなかったのに対して、CD2、CD4、CD8の各陽性細胞(T細胞)に明かな少傾向がみられ、Fas陽性細胞の出現頻度についても重症化した感染サルでは減少していた。また重症化したニホンンザルの末梢単核球よりDNAを抽出後、アガロースゲル電気泳動で分離したところ明瞭なラダーがみられ、これらの細胞にDNAの断片化が発生していることが示唆された。 2)末梢単核球に対するリコンビナント・サルFas ligandの影響:Pcの感染経過にともなって分離した、ニホンザル末梢単核球を、0〜50ng/mlに段階希釈したrFas Lを混和した培地内で約24時間培養後、MTT試薬を入れ、相対生存細胞数を測定することにより、各rFas L濃度における末梢単核球の生存率を出した。その結果、50ng/mlのrFas Lに対する末梢単核球の生存率は、感染前約50%であったのに対し、昏睡に至った時点では82〜86%に増加していたことから、重症化したニホンザルの末梢血液中にはFas抵抗性を有した単核球が多く出現することが示唆された。 3)重症化にともなう血清中Fas ligandの推移:Pc感染サルの血清中Fas ligand濃度の経時変化をELISA法により測定したところ、感染前3〜4pg/mlであった血清中Fas L濃度は、赤血球感染率の推移に相関して増加する傾向がみられ、昏睡に至った時点では著しく高い値(17〜28pg/ml)を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kawazu S.,Tsuji N.,Hatabu T.,Kawai S.,Matsumoto Y.,Kano S.: "Molecular cloning and characterization of a peroxiredoxin from the human malaria parasite Plasmodium falciparum."Mol.Bio.Parasitol.. 109. 165-169 (2000)
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[Publications] Akaki M.,Nakano Y.,Nagayasu N.,Nagakura K.,Kawai S.,Aikawa M.: "Invasive forms of Toxoplasma gondii, Leishmania amazonensis and Trypanosoma cruzi have a positive charge at their contact site with host cells."Parasitol.Res.. (in press). (2001)
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[Publications] 川合覚(田辺和裄,北潔,脇誠治編): "マラリア学ラボマニュアル"菜根出版. 290 (2000)